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コーギーとお昼寝

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かぼちゃは食うもの飾るもの

金曜日の夕方、突然のチャイムとともに襲撃してきたのはチーバ君の着ぐるみを着た千葉とゾンビのコスプレをした鹿島だった。
「トリックオアトリート!」
「ごはんつくらなきゃいたずらするぞー」
段ボールいっぱいのカボチャを俺に押し付けながら俺に夕飯をせびってくる鹿島に俺は思わず頭を抱えたくなった。
「……俺これから夜勤なんだけど」
そう、製鉄所は土日祝日も稼働しているので土日だろうが仕事はあるのだ。
幸か不幸か飯はまだ食ってないので今から作って食べた後に仕事に行けばいいのだが、この二人が素直に帰るとは思えない。
「留守番してるから君津の仕事終わったら三人で飲もーよ!」
「いや帰れよ……」
最近は夜勤明けに飲み明かす体力がないし、やんちゃという概念の擬人化のような鹿島と千葉がこの家で大人しく留守番してるとは思えない。
「君津、この間リングフィットアドベンチャーやりたいって言ってたよね?」
千葉が出してきたのはニンテンドーswitchとリングフィットのセットだ。
「京浜さんが最近太ってきた気がするって言うから色々探してたら2つ入手できたんだよねー」
「……スマブラとスプラトゥーン入れといてくれるなら泊ってもいいぞ」
鹿島のほうを向くとしょうがないなーと苦笑いしたので、これは了承ととっていいだろう。
とりあえずカボチャを受け取り二人を家にあげると、俺はさっそくこの箱いっぱいのカボチャを料理することにした。
段ボールのなかを確認してみると、色んなサイズのカボチャ以外に固まり肉やサツマイモにキノコなども入っているようだ。
手持ちの食材と組み合わせて何とかすることにしよう。
まずは小さめのカボチャはレンジで、大きいのは扱いやすいサイズに切って鍋で蒸しあげる。
キノコやサツマイモも適当なサイズにざくざくと切って下ごしらえ。
「あ、君津この赤ワイン飲んでいいー?」
「良いけどそれあんまり旨くねえぞ」
「不味い酒も割ればそれなりに美味しくなるんだよ」
鹿島が酒を勝手に飲もうとし始めるので酒のつまみを先に用意したほうがいいようだ。
蒸しあがった小さいカボチャから中身をくりぬいて種を取り、スライサーで人参ときゅうりを細切りにして、カボチャの中身とスライスした野菜に少量のマヨネーズと黒コショウをかけてざくざくと混ぜ合わせる。
そういやこの間買ったクラッカーとチーズも少し残ってたはずなのでこれも一緒に出しておこう。
「ほれ、つまみ無いと悪酔いするぞ」
「ありがとー、後このカボチャに顔書いていい?」
「勝手にどーぞ」
「ペンとカッター借りるねー」
カクテルを片手にカボチャに顔を書き始めた鹿島と千葉を横目に二品目にかかる。
鍋で蒸したかぼちゃをミキサーでペーストにして、半分は小麦粉としっかり混ぜておく。
「千葉、ちょっと手が空いてんなら手伝え」
「なにー?」
「このかぼちゃの生地を1センチぐらいの玉にしてフォークでギザギザ付けといてくれ」
「はーい、鹿島も終わったら手伝えよー」
残り半分は玉ねぎやコンソメ・牛乳を入れてトロリとするまでミキサーにかける。あとはこれをレンジで温めればかぼちゃのポタージュだ。
サツマイモは半分を素揚げにして砂糖と味噌で合わせて塩気の強い大学芋、残り半分はレンジで蒸しあげて荒めにつぶした後に小麦粉・卵・牛乳と合わせて炊飯器で焼き上げればサツマイモのケーキに。
そして最後はキノコと豚肉。これは一緒に炒め合わせてジェノベーゼソースと混ぜる。これをかぼちゃのニョッキと合わせれば食べ応えのある食事になる。
(……なんか炭水化物多い気がすんなこれ)
しかしこれはもうしょうがない。
冷蔵庫に入ってたレタスをざくざくと荒めにちぎってグリーンサラダも足しておこう。
酒を片手に部屋をハロウィン仕様にしていた鹿島が満足げに俺のほうを見る。
二人の分もあるよーとカリモーチョのグラスの淵に赤いシロップを塗って千葉に差し出してくる。
「あ、君津はこれから仕事だしザクロシロップのサイダー割りね」
「うちにザクロシロップなんてあったかね……」
「なんか漁ってたら未開封のがあったよ?」
そうこう言ってると千葉がさっそくスマホのカメラを立ち上げて写真の準備を始める。
「じゃ、ハロウィンだしチーズの代わりにあれね!せーの!」



「「「ハッピーハロウィン!」」」

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