「はー……今年も掃除するものの多いこと」
捨て損ねた段ボールや粗大ごみを車に積んだ姉さんが呟いた。
「ほんとですね」
車の助手席まで乗せられたゴミの類はこのあとごみ処理施設まで持ち込むことになる。
本やCD・洋服なども去年の大掃除に全部リサイクルショップに持ち込んだのに、今日の大掃除に確認したらやはり増えてしまっていたから減らすのも大変だった。
「これ捨てに行ったらもうだいたい終わったかしら?」
「家の中の虫よけを撒きなおして、水回りと台所の洗剤を洗い流して防カビ燻煙材撒いて、クリーニングに出した布団やカーテンを付けなおして終わりですね」
「……思ったよりまだ残ってるわね」
今朝からずっと掃除していた姉さんはもうすっかり疲れてしまったようだ。
リサイクルショップにお使いを頼んだスティーラーズ君もぼちぼち帰ってくる頃合いだし、後は私と彼で何とか出来るだろう。
「じゃあ洗剤だけ洗い流したら休んでてください、虫よけは夏までにやればいいですしこのごみ類は私が捨ててきますから」
「お願いするわ」
姉さんが家に戻っていき、私は車に乗り込んでごみ処理施設まで車を走らせる。
車窓の町並みはクリスマスから年越しに変化しているのを見ていると、長く生きているからもう飽きてもいいくらい見ているはずなのに年の瀬の景色には新年への期待が沸いてくる。
帰りにはクリーニングに出したものを取りに行こう。
災難だらけの2020年もようやく終わるし、災難も苦労も全部捨てていこう。
2021年はもっといい年になりますように。