空が青いなぁ、とかしょうも無いことを考えながら空を見上げている。
「・・・・・・何してるんですか」
「結城」
「あなた人の家に書類忘れていったでしょう、本業の方にいないからすぐこっちだと予想がつきましたが」
そう、ここは県立高校の空き教室。
ここの学生になるのは7回目なので一番人が来にくい場所で授業をサボるのは慣れっこだった。
「良くここだって分ったな」
「勘ですよ。しかしサボり魔の癖してよく何十年も高校生続けますね」
この国に学制が敷かれてから100年ちょい、俺はずっと学生を続けていた。
高校を出たらまた入試を受けて、卒業したらまた高校を受験して高校生に。
延々と高校生活を続けるあいまあいまに市町村としての役目を果たしてきた。
「だって退屈しないし、それに学ランとかブレザーみたいな制服の方がしっくりくんじゃん」
「保護者のふりをするのも面倒なんでいい加減やめて欲しいですけどね、筑西の面倒に全精力をつぎ込んで欲しいところですが」
「・・・・・・・笠間が面倒見てんじゃん」
紙パックのなかのコーヒー牛乳はもう残りわずかになっていて、自分に残された時間もこれっぽっちなのかと少しだけ悲しくなった。
おわり