今年は八幡と一緒に年越しをすることになった。
単純にあいつがしつこく呼んできたからであって年明けの入れ替え戦に向けて気の立っているシーウェイブスが我が子ながら怖いからではない、決して。
「年越しそば出来ましたよー」
「おう、ありがとうな」
丼には具材たっぷりの年越しそばにみかん。
ワンカップを片手に蕎麦を啜り、紅白なんぞつけながらこたつにくるまる様子はいかにも日本の年越しだ。
隣に腰を下ろした八幡の様子を見ても、こう言う年越は悪くないように思える。
「今年最後のスペースワールドも二人で行けましたし、もう心残りはありませんよ」
「ほんとうに?今は気分がええからちょっとぐらいなら無茶ぶり聞いてやるぞ?」
「……じゃあ、年越しの瞬間にキスしてくれます?」
そのぐらいなら、聞いてやってもいい。
八幡釜石の年越し。