グラウンドでのあいさつ回りを終えるとブルーズーマーズ、もといスカイアクティブズが寒さに震えながら暖房を占領していた。
試合で走り回っている間はいいが一度動かなくなると寒さが体の芯まで来たようだ。
「ブルー、じゃなくてスカイアクティブズ。まだそんなに冷えるか?」
「体拭いて着替えたのにまだ寒さが体の芯に残ってて」
悪天候も災いしてボロボロだった試合結果で芯が冷えているんじゃないか、という気もするが勝った側のいう事じゃない。
とりあえず乾いたタオルで身体を拭い、着替えて暖房にあたる。
冷たい雨でかじかんだ指先を暖房で少しづつ温め、動かして血流も取り戻す。
「……まだ練習が足りんなって思いましたよ」
「あー、試合終了直前にトライ決め損ねたアレか」
「あれもですけど結局今日の試合3点しか取れんかったでしょう」
スカイアクティブズは今回も負けたことで気落ちが深まってきた。
現時点で唯一の勝ち点ゼロになってしまったのがよほど気持ちとして響いてるのか、気持ちは明るくならないらしい。
「今から落ち込んでたら勝てる試合も勝てなくなるぞ」
とにかく前を向くしかない。
少しでも勝って勝ち点を積んでいけば入れ替え戦で有利が取れる(D3の3位辺りならまだ勝てるかもしれないし)のだし、出来ることをやっていくしかない。
「そりゃあそうでしょうけどね」
チーム名が変わってもどこかネガティブな性格はあまり変わらないらしい。
「この雨が落ち着くまで待つしかないか」
少しでも勝ち点を積み上げて残れるように最善を尽くそう。
そうしていつか上に行く日を虎視眈々と狙うのだ。
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シーウェイブズとスカイアクティブズ