「あの人、ほんと最後まで私になんにも言わないで逝っちゃったわよね」
姐さんがぽつりとシードルを飲みながらつぶやく。
平尾さんのドラマを2人で見ながらあの頃を思い出せば、そう言いたくなる気持ちもわかる。
「姐さんも聞いて無かったんか」
「今にして思えば私に言ってしまえばあなたにも伝わってしまうと思ったんでしょうね」
「……俺らに言うてくれても良かったのになあ」
人とは違う時間を生きる自分と姐さんは人を見送ることには慣れていた。
それにあの人には信頼されていたと俺も姐さんも思っていたんだろう、そうでなければずっとうちのチームに関わり続けるようなことはないと信じていた。
「本当よね。まああの人からすれば人間じゃない私やスティーラーズに伝えたら空気が変わるとでも思ったんじゃない?」
「あの人の発想やなあ」
こんな事今言ったところで本人からの返事はない。
だから愚痴ばかり漏らしながらドラマのあの人によく似た姿を見つめるしかできないのだ。
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スティーラーズと神戸ネキ。 スペシャルドラマ「友情」見ました……?