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コーギーとお昼寝

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昔話の散歩道

「こんなとこに石碑立ってたんですね」
二子玉川駅前に買い物に行く途中、イーグルスがそんなことを口にした。
目前にあったのは砧線の駅跡地を示す赤文字の石碑だ。
「嗚呼、イーグルスは知らないのか。我が幼気な子羊だった頃にはこの辺りには路面電車が走っていたんだ」
「いたいけな子羊ってなんですか……」
「突っ込み所はそこではないのだがな。昔は此の辺りにも路面電車は多かったんだぞ」
「いま都内で路面電車というと荒川線と世田谷線ぐらいですもんね」
「そうだな。今や路面電車から地下鉄への世代交代も終わって、東京一帯ではすっかり馴染みの無い物になってしまったがこうして痕跡は残っているのだな」
ほんの少し上機嫌で散歩道を行きながら、子供時代に見た景色の話が出てくる。
「我が幼気であった頃は、ライズのところには遊園地があって駅前の高島屋は無かったのだぞ」
「ライズってあの駅直結の商業施設のとこですよね、あそこ遊園地だったんですか?」
「そうだ、大きなフライングコースターや映画館も有る一大娯楽施設でな。仕事の手伝いやラグビーの合間に親が映画を見に連れて行って呉れたものだ」
今ではすっかり知る者も少なくなった場所の思い出がふつふつと連鎖的に浮かんでは消えていく。
幼少期の思い出と言うものも案外覚えているもので、この辺りが線路だったという情報を基準にすればどこに何の店があったかまで鮮明に思い出せた。
「ということはこの辺りで曲がって今の二子玉川の駅まで伸びてたんですかね」
「ああ」
もうここまでくれば駅も見えてくる。
高島屋の前を通っていると今と昔の変化が身にしみてよくわかった。
「買い物の前に少し水分取りませんか?」
「良いぞ、今日は特別に一杯奢ってやろう」
「じゃあライズの中のゴディバカフェ行きたいです」
「……一杯だけだぞ、食事は奢らないからな?」



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ブラックラムズとイーグルス。
フォロワさんとニコタマを歩いてきて思いついた話でした

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