「24-25年シーズンから新規加入チームの募集かあ」
なんとなく開いたスポーツ新聞の片隅の記事に目が留まって、小さくため息が漏れた。
二人の後輩を立て続けになくしたこの福岡の地にまたもう一人後輩が来るのだろうか?
「……ああ、でもルリーロがおるな」
なくなった二人の後輩の面影を持った瑠璃色の青年を思い出した。
あの子も確かリーグワンを目指すつもりでいたはずだし応募する気はあるだろう、聞いてみたいような悩ましい心地になる。
もしルリーロがリーグワンに来てくれたのなら。
かつてブルースやレッドスパークスにしたように、ご飯を食べながらラグビーの話ができるだろうか。
ナナイロプリズムも招いて三人でテレビを見ながらでも、二人で居酒屋で飲みながらでもいい。
ルリーロの作った果物を食べながらというのもいいかもしれない。
同じリーグで競い合いながら可愛がってきた後輩たちの不在はやっぱりさみしいのだ。
申請の締め切りは6月。
その時までにあの瑠璃色の後輩がここに来る決意を見せてくれたなら、本気であの子を迎え入れよう。
(この小さい夢を現実にしてくれな?)
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キューデンヴォルテクスのひとりごと