「開幕二連敗なんやて?」
『……それは俺への嫌味と捉えていいのか?』
電話越しに少しばかりの不機嫌の色を漏らした80年代の王者に「まさか、」と答える。
昨日のひどいスコアでの負け方についてはネットで確認しているが、まだ少し引きずっているのかもしれない。
「ただの電話越しの陣中お見舞いやて」
『そっちだってまだシーズン中の癖に何を言うんだか』
「ははっ、気に障ったんならごめんな?」
『別に』
「ならええわ、こちとらもう20年近く待たされてることを忘れんでくれな?」
『……分かってる』
ぼそりと低い声で漏らした。
大丈夫、まだこの男の心の火は消えてない。
どれだけ時間がかかっても、ここまで会いに来てくれるという覚悟が声に混ざっている。
「ノエビアの芝の上で逢おう」
そう告げると『おう』と告げて電話が途切れる。
(ほな、あいつが来るまでここに残っとらんとなァ)
スティーラーズさんとシーウェイブズさん。
昨日の初観戦で脳裏に残っている感想はまあ色々あるんですが、とりあえずの感想代わりに。