「今日という日とかけましてドリカムと解く、その心は何だと思う?」
試合前の設営を終えて一服していた俺にスピアーズが面白半分にそう聞いてきた。
「何その急な謎とき」
「答えは『決戦は金曜日』」
その答えで「なるほど」と思わず納得してしまう。
3月11日という日付でどうしても東北を連想してしまうが、そもそも俺たちはこれから試合なのだ。
リーグ首位と二位の直接対決。しかも金曜夜の秩父宮。
「確かに『決戦は金曜日』だわ」
「でしょー?」
去年の日本選手権でスティーラーズを倒し実力をつけてきたスピアーズにとっては日本選手権制覇への試金石ともいえるこの試合は、まさに決戦。
「まあ勝つのは俺だけどね」
秩父宮三連戦の二戦目、うちには先週の勝利の勢いが残っているしやれるはず。
「うちの選手たちのヤバさを思う存分味わって勝ち点貰ってくね」
「はいはい」
こういう話が出来るのも平和ゆえ。
平和で楽しい決戦の夜を思う存分味わおう。
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サンゴリアスとスピアーズ