「さっむ……さすが雪国は違うわ……」
思っていた以上の寒さに羽織っていた上着の前を閉める。
大阪ではめったに積もらない雪がまだ薄っすら残っているのはこの間の寒の戻りのせいなんかなあ、と考えたりする。
「レッドハリケーンズ!」
そう声をかけてきたのはがっつり防寒したスピアーズで、何故かスッピーくんもポケットからこんにちわしてる。
「完全防寒やないか」
「新潟の冬だからねえ、まあこの寒さも俺結構好きなんだけど」
試合を新潟でやると言い出したときは「何でそんな寒いとこ行かなあかんのや!」と言ってしまったが、こういう地方開催ゲームはラグビー振興のためだと言われると拒めない。
(だとしても寒いもんは寒いなあ)
ふうっと吸い込んだ冷たい空気がまだここは冬なのだと伝えてくる気がする。
「さて、レッドハリケーンズって日本酒はイケるほう?」
「嫌いやないけど今は飯の気分」
「ご飯かあ、お寿司とラーメンどっちにする?」
「新潟まで来てラーメンはないやろ」
「こっちのラーメンも美味しいんだよ?ま、レッドハリケーンズが言うならまずはお寿司だねえ」
そう言いながら歩きだしたスピアーズの背中を追いかける。
街角には地元のサッカーチームのポスターとともに今回の試合のポスターも散見される。
こういうのを見るとなんか歓迎されている気がして気分がいい。
(ちーっとはこの辺のラグビー振興に役立てるとええんやけどなあ)
まだ雪の残る街を歩きながら、そんなことを考えている。
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レッドハリケーンズとスピアーズ。
新潟での試合はBS日テレの中継もあるので是非どうぞ。