短い小ネタ中心です
・Wトヨタの夜
「シャトル、お前まだ気にしてるのか」
首を横に振る片割れに何とも言えない複雑な気持ちになる。
元から口数の少ない相手ではあるけれど、今日だけは少しばかり複雑だ。
(……まあ、一緒に夕飯食ってる自分が悪いんだけどな)
いつも何となく一緒に食べているせいでそれが習慣になってしまっているのだ。
「なんでだん負けたか考えよっただけだら」
「ああ、そういうことか」
次にまた試合するとき、この片割れはどのくらい強くなっているだろう。
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もっと上へ、二人で。
・ハイボールとネギ焼き
食卓の上にはほぼ長ネギだけのネギ焼きに角ハイボール。
「いただきます」
「どうぞ」
今日の昼間思い切り負かしてきた相手は、自分の分のハイボールを飲み始める。
ノーサイドの精神―試合が終われば敵味方なし―とは言ったってここまで連勝してきた俺にとっては中々痛い敗北だ。
「にしても何でこんなネギばっかり……」
「いまうちに長ネギ4箱あるから、ついでにブレイブルーパスにもひと箱持ってって」
「貰いすぎ」
「あげてもあげても減らないから……」
「今年は天候不順で規格外が多いから余計にね、先輩にネギ貰いませんかって電話したら『お前秋になるとすぐ妖怪ネギ貰いませんかになるな』って言われた」
「……スティーラーズさん上手いこと言うな」
「ちなみに先輩曰くシーウェイブズさんは妖怪干物要らんかで、ブルースは妖怪うどん粉貰ってけらしいよ」
想像したら思わず吹いてしまい、思い切り咽てしまう。
タオルを受け取って軽く周りを吹くと「サンゴリアスは笑ってるほうが良いよ」と言うのだった。
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何だかんだ仲良し
・大阪を歩く
スピアーズ「……なんで二人で歩いてるんだろう」
ジュビロ「目的地が同じですからね」
スピアーズ「太陽の塔見に行ってどうするつもりで?」
ジュビロ「兄さんへの土産話に……兄さん、今日は引き分けでしたから少しは明るい話してあげたいんですよ」
スピアーズ「ふうん。それならうちにある船橋の梨食べます?」
ジュビロ「スピアーズさんすぐ船橋の話しますよね」
スピアーズ「ジュビロくんはすぐ兄貴の話するよね」
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すぐ特定の話したがる2人
・V7の平穏
『そういや明日大雨らしいが大丈夫なのか?』
電話越しにそう訊ねてきた相手に俺は軽く微笑んだ。
「ノエスタは屋根あるから平気やて、まあ台風やから客足は良ぉないかも知れんけど」
『そう言う問題か?』
「ああそれと、今季初勝利おめでとう」
『そっちこそ中断期間入るんだし三連敗するなよ』
「おん、ところでネギ要らん?」
『送料そっちが負担なら貰う』
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相変わらず仲良し