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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

祭り騒ぎのその後で 

どぼんと腰を落ち着けた水風呂の心地よさに「ふう」と息が漏れた。
炎天下で開かれたラグビーフェスタは好評で幕を閉じ、後始末の場を抜け出して水風呂で体を冷ましていた。
「よー、元気そうやないの」
「ライナーズなーに人の風呂のぞいとんねん」
「だってお前に会いに行こかと思ったら風呂場に居るよってお前の姐さんが」
「ああ……お前さんも水風呂浸かるか?」
「もっと広い風呂やったらお邪魔するけどな」
遠回しに人んちの風呂の狭さをディスられたので顔に思い切り水をかけてやると、「ガキか」と言いつつ人んちのタオルで顔を拭った。
「狭くても冷たい水風呂はええやろ?」
「まあな」
「というか何の用やったん?」
「本物のダン・カーター見に来た、レッドハリケーンズも居ったけどあいつ用事あるとかで先帰ってもうたわ。ついでにイニエスタ見ようかなて」
「ああ……というかお前サッカーなんて興味あったんか」
「いや世間を賑わす有名人の顔拝んどこかなって。というかイニエスタとトーレスに話題持ってかれてダン・カーター全然話題にならへんよな、シー・カーターとか意味不明な滑りやったりしとったけど」
「それうちの選手への悪口か?」
「いや、ああいう関西のノリに果敢に挑む子は俺好きよ?」
ニヤついたその顔を氷水に突っ込んでやろうかと思ったが怒られそうなのでやめておいた。これもまた俺の優しさである。
水風呂もぬるくなってきたのでのっそりと浴槽から上がれば、乾いたタオルを差し出してくる。
「ほな俺も行こかな、話題のイニエスタの顔も見たいし」
「おー」




スティーラーズとライナーズのぐだぐだ。ただシー・カーターのくだりがやりたかっただけ。

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おいでよセブンス

レッドハリケーンズ「今日からラグビーワールドカップ・セブンズ2018!」
ワイルドナイツ「男子は24ヵ国、女子は16ヵ国のトーナメント制で争う大会です」
サンゴリアス「あべまTVでライブ中継もあるし30日はBSでハイライト番組も放送予定!」
ブルーズ―マーズ「うちの選手も!出ます!!!!!!!!」
イーグルス「是非見てくださいね!!!!!!!」





レッドスパークス「……これどういうネタなんですカ」
ブレイブルーパス「知名度低すぎるから宣伝だよ」
シャトルズ(蒸し暑い……)
ヴェルブリッツ「シャト、麦茶飲むか?」
シャトルズ「ん」


そんな訳でみんな是非見てくれよな!

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あの子は子どもが好きだから

シャイニングアークスの引っ越し祝いという名目で千葉組でふらりと集まって飲もうという話になった夜の事だった。
「スピアーズってショタコンなの?」
「はぁ?!」
「……グリーンロケッツ、あなた酔ってません?」
「よってないよー」
顔だけは女と見紛うばかりに綺麗な緑ロケの頬は薄く赤に染まり、その手には何杯目とも知れない日本酒のグラスが揺れている。どう見ても酔っ払いである。
「だってさー、スピアーズって子ども好きじゃん」
確かに子どもは好きだ、これから羽ばたこうとする若さとエネルギーに溢れている子供たちの成長ほど見ていて楽しいものはない。
しかしそう思われるのは実に心外で相手が付き合いも長いグリーンロケッツなのでなおさらだ。
「俺は成長する子どもが好きなだけでそう言う下心は無いよ」
「えー」
「犯罪者にでもなって欲しいの?」
「いや、スピアーズって子ども見てるときは本当に楽しそうだからさー、てっきりそう言う下心でもあるのかと」
「そう言うのは微塵も無いよ」
水飲んでもう寝たら?と言い返してやればちえーというように頬を膨らませて水を飲むのだった。



スピアーズとグリーンロケッツのゆるぐだ話。

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あの子は隠れたスイーツ男子

シーウェイブスの冷蔵庫にはよくパステルのプリンが入っている。
「……やっぱクラブチームやとこういうの良く貰うんやなあ、一つ貰ってええ?」
「別に構わんがついでにミルクティーのプリン取ってくれ」
書類から目もそらさずにそんなことを言うので軽い返事を返す。
ついでにコーヒーでも淹れてやろうと電気ケトルお湯を沸かしてホットカフェラテも淹れてやる事にして、「出来たで」と告げれば書類を脇に置いてくる。
「コーヒーまで淹れたのか」
「俺かて仕事頑張ってる奴にコーヒー淹れる程度の優しさは残ってんで」
「それもそうか」
「にしても、お前さんとこはいっつも冷蔵庫に甘いもん入っとんなあ」
「スポンサーだからな」
「でもお前さんのスポンサーやないとこのお菓子もようけ入っとるやないの」
ここに常備されている食べ物の多くはスポンサーやファンからの差し入れが多いようだが、明らかにそれとは関係ないお菓子もいくつか置いてあるのだ。
本来スポーツをやる身にとってお菓子はそう沢山取るものではないのに常備してあるという事は理由は一つしかない。
「やっぱ甘いもん好きなんと違う?」
「……うるさい」
むすっとしつつもミルクティーのプリンをゆっくりともったいつけて食べるので、やっぱこいつ甘いもん好きなんだろうなあと察してしまうのだ。




スティーラーズとシーウェイブス。
シーウェイブスさんはパステルのプリンがお好き。

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とり天、ハイボール、6月の昼下がり

その日、後輩は朝から台所に立っていた。
「人んちの台所朝から占領して何人分作る気だよ……」
「だって関東勢全員呼ぶって言ったのそっちでしょ」
サンゴリアスは鶏肉を一口サイズにカットしながらそんな事を言う。
いつもの4人と千葉から三人、群馬から一人、神奈川からも一人、総勢9人でしかも全員アホほど食うともなればそりゃあこんな大量にもなるかと納得してしまう。
言い出しっぺとはいえ少し呼び過ぎたかと思ったが、そもそもサンゴリアスが酒の肴も作るなんて言い出したのも大きい。
「あ、鶏もも切ってくださいよ」
包丁と鶏ももを押し付けられて仕方なくぶつ切りにしながら、思わず浮かび上がった疑問を口にする。
「……いいけどこれ何にすんの?」
「とり天とチキン南蛮ですねー」
「ああ、今日の試合会場大分だからか」
そう、今日みんなで集まるのはテレビ中継される試合を見るためだ。
日本対イタリア戦を見ながらああだこうだ話すだけの飲み会というよりもくだらない集まりに近い。
「鶏肉の残り全部同じくらいの大きさに切っといてくださいねー、ゆで卵ももういいかな」
「人使いの荒い後輩だな……」
お湯からゆで卵をざるで救い上げて冷ましたりどこかから出してきた粉を混ぜたりとまあバタバタ動くのに思わず呆れる。
「サンゴリアス、忙しそうだね」
「……なんだ野武士かぁ」
こそっと現れたのはワイルドナイツだった。どうやら一番乗りらしい。
「さすが『腹空かせて来い』っていうだけあるよね」
「ほんとにね」
「あ、鶏肉終ったんならゆで卵剥いて冷蔵庫にあるピクルス玉ねぎと一緒に大きめに刻んで玉ねぎだけ塩もみしといてください」
ざるに大盛りのゆで卵をポンと押し付けられて思わずため息が漏れる。
「手伝うよね?」
「……それ拒否権あ「無いよ」
やれやれというようにワイルドナイツがため息を吐くと、二人並んで茹で卵の殻を黙って剥くことにした。
「「「こんにちわー」」」
揃って現れたのはグリーンロケッツ、スピアーズ、シャイニングアークスの千葉トリオだ。
シャイニングアークスの手にはどこからか手に入れてきたらしい酒瓶ががらからと揺れている。
「スピアーズは手伝って、アークスはその手持ちの酒冷蔵庫に入れて部屋片づけ、グリロケは何もするなよ……」
「はいはい」
「待っていちおうこのミラクルセブンも電気屋の子よ?!信頼されてなくない?!」
「グリーンロケッツ……」
キッと睨みつけると諦めたように手伝いだしたスピアーズ、反射的にツッコミを入れ始めるグリーンロケッツとそれを憐れむように見てくるアークスという三者三様の状況が出てくるがそう言う奴だから仕方ない。
とりあえず酒だけ冷蔵庫に入れてもらい、アークスとグリーンロケッツがぶうぶう言いながら部屋を片付け始める。
「お邪魔します」
少しどすの効いた能様な低い声と共にやってきたのは馴染み深い相模原からの客人だ。
「お、ダイナボアーズ!久しぶり!」
「……なんで茹で卵剥いてるんですか」
「サンゴリアスに手伝わされてる、悪いけどアークスと一緒に片づけといて」
「手土産あるんで冷蔵庫借りますね」
「了解」
早速手土産を冷蔵庫に突っ込むと早速部屋を片付け始める。
ふいにピクルスをザクザクと刻んでいたワイルドナイツが俺の方を見て「ダイナボアーズと仲良かったんですか?」と聞いてくる。
「あいつとは三菱三井交流戦で面識あるんだよ、お硬いけどいい奴だよ」
なるほどと呟くと刻んだピクルスとゆで卵ををボウルに突っ込んで、玉ねぎも刻み始める。
「……汝ら早すぎるな」
「もっと早めに来ても良かったですかね?」
最後に到着したのはプロジェクターとそれ用の幕を持ったブラックラムズとイーグルスだ。
みんなで大画面で見るために自社製の最新プロジェクターを持ってきた二人に恨みはないが「映写機ダービーめ」と思わず漏れるのは仕方ない。
「あ、料理手伝いましょうか?」
「大丈夫だからブラックラムズ手伝いな」
「我は一人でよいぞ、映写機の事はアークスとグリーンロケッツに手伝わせる」
横からからりと揚がった揚げ物のいい匂いがしてきた。
どうやらとり天とチキン南蛮が上がり始めて来たらしい。
「ワイルドナイツ、全部刻み終わったんならマヨネーズと混ぜといて」
「はいはい」
そうして刻んだ野菜と一緒に大きなスプーンでザクザクと混ぜると美味しそうなタルタルソースが仕上がってきた。
そうして揚げたてのチキン南蛮の上にさっとお酢とみりんを混ぜたものがかけられる。
ついでにとり天も仕上がってきた。
「美味しそうなチキン南蛮ですねえ」
「イーグルス運んどいて」
「はい、」
「……タルタルソースはかけなくていいの?」
言われてみればせっかくタルタルソース作ったのにかけてないがいいのだろうか。
スピアーズの疑問に答えたのはイーグルスだった。
「宮崎だとタルタルなしのチキン南蛮もあるんですよ、だから別盛りにしたら好きにかけられるし別で良いんじゃないですか?うちの会社初代が大分の人なんでタルタルなしの奴を親に食べさせてもらったりしましたよ」
「へー」
「あと冷蔵庫にあるメイソンジャーサラダとぬかづけとりゅうきゅうも出しといて」
「サンゴリアスくんも料理人みたいですねえ」
「料理は気が抜けないからな」
イーグルスと一緒に配膳を手伝ってやれば、食卓が随分と華やかに彩られていく。
男だけの飲み会にしてはインスタ映えとでもいうのだろうか?絵面があまりに華やか過ぎるぐらいで笑ってしまう。
(うちの妹分が喜びそうだなあ)
大盛りのチキン南蛮ととり天、魚の醤油漬けのようなもの(大分のりゅうきゅうという料理らしい)、ガラス瓶に詰まったサラダが二つ、箸休めの漬物も随分カラフルな野菜が使われている。
「あとこの保冷瓶にはガスパチョ入れてあるそうです」
「……凝り性だね」
そして遠くからピーと複数の音が鳴り響いた。
これは自社製品の炊飯器の音だと気づくと、サンゴリアスが大きめの炊飯身を丸ごと二つ抱えて持ってきた。
「米炊いてあるんですけど要りますよね?」



「「「「「もちろん!!!!!!!!」」」」」」

きょうもがっつり食ってがっつり飲んで、大好きな仲間と大好きなラグビーの話をしよう。


日本対イタリア戦を見る関東組の話。

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