「やっぱり東北は良いですね」
ぽつりとシャイニングアークスはそんな言葉を呟いた。
試合終わりの夕暮れの仙台、冷たいスポーツドリンクが心地よく喉を通っている。
「……そういや、お前さんにとっちゃ仙台はもうひとつの故郷みたいなもんだったか」
かつての電電東北の記憶と歴史を引き継いだシャイニングアークスは仙台の空を愛おしげに眺めてほほ笑んだ。その脳裏にはきっとそいつの記憶が眠っているのだろう。
「ええ、シーウェイブスさんとの対決楽しかったですよ」
「ぼろ負けだったがな」
「そんな自虐を仰らないでください、シーウェイブスさんは地域に愛されるチームのトップランナーなんですから」
「……そりゃどうも」
元公務員らしい堅苦しい口ぶりではあるがそれは本心からのように思えた。
「あんな風に、強く愛されるのはきっと大変なんでしょうね」
ぽつりと漏れたいたわりめいた言葉に、小さく頷きを返す。
「だからこそ降り注ぐ愛を勝利で返してやりたい、きっとみんなそう思っとるさ」
シーウェイブスとアークス。
仙台のラグビーフェス行きたかったです