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コーギーとお昼寝

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日立鉱山、いつかの記憶1

『赤沢』
そう呼ばれていた記憶はもう、はるか遠い。
長いまどろみのような時間を終わらせたのは、一人の男だった。
『君が赤沢鉱山か』
『いかにも、お前さんが新しい主か』
『その通り』
男は久原と名乗り、新しい呼び名を与えた。

「日立鉱山」と

日立鉱山、いつかの記憶

赤沢鉱山が誕生して300年が過ぎていた。
その間に佐竹は常陸国を離れ、水戸徳川家は滅び、年号が変わってから主は4度変わった。
この男は水戸徳川の消滅後から数えて5人目の主だった。
『日立鉱山か?』
『ああ、日立村(現日立市)の鉱山だからな』
男は日立鉱山発展のため、鉱毒水の流れる川の流域を買い占め、巨大な煙突や鉄道、発電所などを作った。
時には反発をくらうこともあったが、戦時下にあたっていた事もあって良き波に乗っていた。

*              *

そして時は世界情勢の血なまぐささの加速した1908年、12月。
一人の男がまた、あっさりと鉱山の運命を変えてしまう。
『小平、少しばかりこいつの面倒を見てやってくれないか』
『猫・・・・・ですか』
『こいつの名前は日立鉱山、この山の守護神みたいなものらしい。正直私もよくは分からないんだが、こいつの面倒を見る時間が最近減ってしまってきてな、頼めるか』
『この黒猫がこの鉱山だなんて随分なご冗談をいいなさる、でも久原さんの世話になってますからね。ちいっと油臭くなっても良いなら構いませんよ』
小平波平、当時久原鉱業工作課長だった男だ。
のちにまた我輩の名前を変えてしまう男だ。














日製の過去編のお話。
ずっと構想はあったのですが、筆が進まなくてですね・・・・・・orz
多分話そのものは小平さんと日製が軸になると思います、日立絡めたいんですけど今回は日立製作所成立が軸だからなぁ。
それに伴う日立の企業城下町への道も書きたいんですが。

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