君津は意外とごみの分別にうるさい。
「ったく、もう少しちゃんと分別しろよな……」
「いやあついめんどくさくて」
半分キレ気味ではあるけど鹿嶋市のクリーンカレンダーを確認しながらごみを分別してくれるから、見た目のわりに君津は根っこのところは面倒見がいいなと思う。だから堺に変な粘着されてるんだろうけどね。
「だいたい、ペットボトルは回り回ってうちで燃料になるんだからちゃんと分けろよな……」
「そう言えば毎年君津のところで加工した廃プラが来てるもんねえ」
「毎年1万トンそっちに送ってるんだけどな……」
「コークス炉の燃料送ってくれてありがとうね?タールやガスも俺たちが正しく機能するのに大切な副産品だしね」
「分かってるならもう少し分別に気を遣おうな……?」
「あはは、ごめんごめん。そういうのって人ににまかせっきりだから覚えられなくてさ」
「もう慣れたけどな、とりあえず燃えるゴミは明日回収日みたいだし今すぐに出して来い」
そう言って君津が燃えるゴミの袋を押し付けてくる。
まあゴミ出しぐらいはしないと駄目だよねえなんてのんきに考えてしまう。
「あ、そうだ。ゴミ出し終わったら冷蔵庫に入れてあるアイス食べようよ。此花からアイス屋さんに置いてあるようなおっきいアイス3つも貰ったんだよね」
「アイスクリームディッシャーこの家になかったと思うんだけど」
「でぃっしゃーってなに?」
「……もういい。後で買いに行くぞ」
君津と鹿島。廃プラスチックの話をして欲しかっただけ