昨今話題の新型ウィルスの影響で事務職員のほとんどが在宅勤務に切り替えられ、しわ寄せを食らいまくってる今日この頃。
「そういや今度うちに5G導入するって」
「ああ、そう言えば言ってたわね」
「でも導入するの千葉兄ぃのとこだけじゃん、うち(西日本製鉄所)にも入れてよー」
「それは経営陣に言って」
日常的な話題はネット通話、チャットや社内クラウドで仕事の進捗を把握。家から出なくても仕事が出来るなんてまったく便利な時代になったものだとつくづく思う。
「だからさー、来月辺り携帯買い替えようかなあって思うんだけど」
「千葉、あなた携帯この間買い替えなかった?」
「今使ってるスマホ、5G4K非対応だから対応してる奴欲しいなあって」
西宮や水島とネット通話で雑談しつつ仕事出来るのは、職員から目を通してほしいと言われた書類に目を通したり書類をスキャンしてクラウドに移したりと言った単純作業がメインだからというのもある。
「今もう色んな作業がネットやパソコンで出来るから便利になったよねえ」
「ほんとよねえ、仕事があるって伝えるために煙突から黒煙燃やしてた時代からだいぶ進化したわよね」
「西宮、それいつの話?」
「戦後すぐぐらいだからー……もう半世紀ぐらい前ね」
「半世紀どころじゃないじゃん!」
「水島、ちょっと黙って」
「福山今日厳しくない?」
突然福山の声が飛び込んでくる、同居してるから同じ部屋で作業してるのかもしれない。
「今ちょっと切羽詰まってるから……」
「あ、そっか。ヘッドホン使う?」
「うん」
福山がヘッドホンを使う事で決着がついたらしく、「ちょっと離脱ー」と言っていなくなる。
その隙に福山が「すいません大声出して……」と詫びてくる。
「いいのよ、むしろこっちでうるさくしてごめんなさいね」
「水島はうるさいぐらいでちょうどいいんですよ、むしろ静かなときの方が怖いです」
「そう?あんまりやかましいようだったら私のほうでお説教喰らわせてもいいのよ?」
「いいんですよ、元気な水島が私は好きなので」
「……何それ惚気?」
「さあ?」
「ただいまー」と水島が戻ってきた。
「福山のヘッドホン取ってきたよ」
「ありがとう」
そう言って福山の声がなくなると、西宮が「水島、」と急に切り出した。
「あなた、福山ちゃんの事大事にしなさいよ……」
「大事にしてるよ」
けろりとしたトーンで言い返すので、既婚者(同性だけど)強いなあなんて思うのであった。
仲良しJFE組