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コーギーとお昼寝

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きょうはこれくらい

年に数度、常磐線沿線で集まって飲み会をする。
大体そのメンバーは決まっていて、私と牛久と龍ヶ崎が茨城側で柏、松戸、我孫子あたりが千葉側となる。
「もうこのメンバーで何度飲み会をしてるんだか・・・・・」
「さあ、おれは飽きないけどね」
「あなたは松戸がいれば大概飽きないじゃありませんか」
目の前でおちつきなく騒ぐ牛久とそのノリにつられて年甲斐もなく牛久と肩を組みながら歌う我孫子はほっとくとして、目の前の揚げ餃子を肴にビールを飲む。
龍ヶ崎も恨めしそうに我孫子を見るぐらいなら一緒に歌えばいいのに。
「ばれたか」
「一目で」
常磐線ができて以来の100年近い付き合いだ、いまさら気づいていないなんてほどすっ呆けてはいない。
松戸も牛久たちと一緒に騒いでいる。
ただでさえ自分たちのような特殊な存在は規則が多くて騒ぐのも考え物なのだし、まして不景気ならなおさらのことでせめて飲み会ぐらいは騒ぎたいということだろうか。
「相変わらずあなたはヘタレなようで」
「取手もせっかく人間と同じ姿ではあるんだし、色恋のひとつしたらいいのに」
「私は結構ですよ、周囲は揃いも揃って手が焼けますからね」
そろそろ牛久も酔いが回って倒れる頃合だ。
筋肉質で大柄な牛久を運ぶのは龍ヶ崎だけでは到底難しいので二人がかりになる。
だからまだ牛久が歩いて帰ることができるうちに帰ることにしている。
「龍ヶ崎、牛久。そろそろ帰りましょうか」
「ふえ?もうれすか」
「まだあなたは歩けるでしょう?酔いつぶれたあなたを運ぶのは大仕事ですからね」
「・・・・・・・わかりました、いくぞ」
「ふぁい・・・・」
まだ飲み足りないと言いたげな表情でうなずいた牛久を龍ヶ崎が引っ張っていく。
「それじゃあ千葉県勢で後は楽しんでくださいな」
「取手、わしも途中まで送ってくれんか」
そういったのは我孫子で、ええとうなずいた私をぽかんと見る柏さんに私は手を振った。

*                *

終電間近だったこともあって人の少ない車両で寝た牛久に軽くため息を漏らす。
「やけに世話が焼けますねぇ、あなたの隣人は」
「・・・・・・・今に始まった事ではないので」
「世話の焼ける隣人というのも悪いものではないぞ?龍ヶ崎、取手」
「牛久を運んでみればわかりますよ、この筋肉太りは運ぶと重いですから」
「そうか」
どうせ今頃微妙な空気を漂わせた松戸と柏が無言で酒を飲み会う頃合だろうと思いながらため息をつく。
(私よりずっと大きな街であり続けてるくせに何でヘタレなんだか)










おわり

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