5月22日、とうきょうスカイツリー駅。
「うー・・・・・・眠い」
「スカイツリー、ソラマチのオープンは何時からだ」
「10時、展望台開けるのは12時から・・・・・・・・・もう寝る」
ぐったりと潰れたように眠るこの猫をたたき起こすのは少々酷だと兄さんが目で告げた。
精根尽き果てたがごとく突っ伏したスカイツリーは兄さんの机の上を占領する。
ぺちぺち、と後ろから軽くはたいてきたのはスカイツリーの公式キャラだった。
「・・・・・何」
『スカイツリーは?起きてる?』
スケッチブックに書かれた文字を読みながら、スカイツリーを無言で指差す。
『にっこうさん、きょうからよろしくおねがいしますね』
「ああ」
スカイツリーを連れ去っていく奴を見ながら開業初日を迎える。
300万人が逢える空のふもとで、お待ちしています