僕には日々、面倒を見る人がいる。
「ただいまぁ」
「おかえりなさ、って臭っ!酒臭いですよ未青年!」
「東京にぃに、飲まされたんだよぉ・・・・・・気持ち悪い」
「ああ、分かりました。ちょっと待ってくださいね。」
別に僕が面倒を見る必要はないのに、どたとたと水を取りに行く僕がいるわけでして。
しもつまものがたり?その1「水もって来ましたよー」
「あんがとー、口う「却下で。」
僕はいたって健全な成人男子であってそんな男に興味は無いのである。
東京の方じゃ普通なんでしょうけどね。所詮田舎ですから。
「じゃぁ、その水を入れて・・・・・・」
「はいはい口あけてください」
こんなんだから下館から「結婚しろよお前ら」とか言われるわけだけども。
ええそうなんだけども。(大切なことなので二回言いました。)
「生き返るぅ・・・・・・あんがとね、下妻。」
「そうですか、もう寝る時間ですからちょっと歩いてくださいねー明日休みですよね?」
ずるずるとちいさな筑波を引きずる。
時間は既に12時を軽く飛び越している、まあそこまで僕が奥さんみたく待つ理由も無いんだけど。
「しもつまぁー、明日クレオいこ?」
ベッドに乗っける前に言った一言。
あえて何も言わずに僕は手を離し、体を離そうとする。
・・・・・・あれ、まさかこの人。
(僕引っ掴んだまま熟睡した・・・・・・)
身長に比例して腕の短い筑波の腕からの脱出はまず不可能。(腕の長さというものは身長に比例するので)
ああ、もうめんどくさい。
そう思って僕は熟睡することにした。
* *
頭が痛い、記憶も無い。
そして自分の腕の中(恐らく僕の寝返り合わせて一緒に寝返りすると言う下妻らしい器用な技を使ったんだろう)には・・・・・・下妻がいた。
「・・・・・・し、しもつま?」
「あ、おはようございます。」
自分の脳内でトンでもない家を大改造する番組のナレーション(っぽいもの)が流れる
なんと言うことでしょう、寝ボケ眼ってこんなに威力大きいんですね分かります。これがいわゆる「萌え」なんですね・・・・・・
って朝から何してるんだじぶんよ。
「下妻さ、今日暇だよね?クレオ行かない?」
「ああ、昨日言ってましたね・・・・・・いいですよ。」
ちょっと朝から泣いた、笠間とか東京に幸せのレベルが低いといわれようと気にせずにちょっと泣く。
ちょっとだからばれないと信じよう。
「あのー、朝ごはん作るので離してくれません?」
「・・・・・・」
ああまったく、自分に感動する暇すらくれないんだからこの天然!
おわり