ただ鹿嶋と奈良の疑似兄妹が欲しくなっただけ。
奈良市
神様に仕える巫女さん幼女。
愛くるしい見た目に反してかつての首都だけあってかしっかり者。
鹿嶋を「兄さん」と呼び鹿を愛でる(がよく攻撃もされる)
大阪から近鉄特急に揺られる事30分。
きょうは久しぶりに妹分の家に遊びにきた。
「兄さん!」
「奈良、久しぶり!全然変わんないねー」
「しゃあないやろ、兄さんかてもうずっと変わらへんもん」
「俺はもう半世紀ぐらいこのままだしねえ、奈良はもっと変わってないでしょ」
「古都やからね」
奈良はそう言いながらもわざわざ駅まで迎えに来てくれるんだからいい子だと思う。
観光客の人ごみに流されないように手を繋いで歩くのはもう長い習慣だ。
「こんなに暑いと冷たいの欲しいね」
「そんならかき氷食べに行く?」
「かき氷かあ、いいね」
「うちのよく知ってるかき氷屋行こ、あそこのふわふわの泡の乗ったかき氷美味しいんよ」
「泡の乗ったかき氷かあ、楽しみだな」
キラキラとした顔で明るく語る俺の妹分は、本当に可愛い。