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コーギーとお昼寝

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名古屋港から名駅まで

牛牧衣織さん(@okina_sosaku )ちのトヨタさんと八幡のお話。
トヨタ→日産、八幡→釜石前提です。





「ああそうだ、前から思ってたんですけどビジネスランチ中に日産車見つけたら「おっ」って顔するのやめたらどうですか?」
「……は?」
国道247号を市街地方面に進む車の中で、この黄色いクソガキはこちらを睨みつけてくる。
東海の雄にして日本最大の自動車メーカーと呼び名をほしいままにする男は良き商売相手であるのだが、そこから一歩離れると死ぬほどめんどくさい性格をしている。
「もしかして自覚無かったんですか?」
「そんな顔した覚えはない」
「じゃあ今度撮って差し上げますよ」
「ビジネス中に写真はマナー違反だろ」
「あなた相手にマナーなんて知ったこっちゃないでしょう、私が嫌なら日野くん辺りに撮って貰いましょうか」
「この性格悪い老害が」
「成金趣味のクソガキに何言われても効きませんけどね」
飲みさしの炭酸水のふたを開けて外の方を向くと、ここはトヨタのお膝元だと言わんばかりのトヨタ車の群れである。
まあその外板は私達(まあだいたい名古屋なのだが)の作るモノである。
「そっちこそ、趣味のいい着物見かけると買う算段始めやがって」
「惚れた相手に良いもん着せたいと思うのは全国共通でしょう」
「否定はしないけど、この間釜石が日産に『貰ったけど着てない着物や反物があるから代わりに着て貰えないか』って言ってたぞ」
「なんでそれを把握してんですか」
「日野が2人に遭遇してお茶した時に貰っていかないかって持ちかけられて、京小紋と帯貰ったって自慢された」
「京小紋って一昨年の鉄の記念日に此花が贈った奴か……いい加減4日に1度は同じ着物を着るのはやめろっていったのに……」
黒地に武田菱の小紋とそれに合わせた帯は此花が『いつも同じようなものを着まわしてるからたまには違うものを着たらいい』と贈ったもののはずだが、釜石は気に入ったものをずっと着続ける性格な上に見た目相応の落ち着いた無地ばかり着るせいで余らせてしまって他の人に譲ったのだろう。此花もご愁傷様である。
「京小紋って言っただけでいつ渡したものか特定するのこええわ」
「これくらい普通でしょう?」
「年季の入ったストーカーしかしない」
「誰がストーカーですか」
「うわ開き直ったこのジジイ」
「名古屋に自分の恋路を心配されすぎてる人に言われたくないです」
完全にドン引きであるがこいつにだけは言われたくない。
トヨタが片思い拗らせすぎているのを見た名古屋が『恋って難しいんだなあ』と呟いていたのを私は知っているし、ついでに言うならこの間本社での集会の後に名古屋が戸田に『トヨタさんにお守り贈りたいから東京大神宮に行きたいんだけど』って道聞いていたのも知ってますからね私。
「あいつは俺に似て心根が優しいんだよ」
「は?何言ってるんですか、名古屋の性格は絶対に釜石に似たんですよ」
「俺だってじゅーぶん優しいわ!」
「あなたの優しさは自分のところの顧客と日産以外に発揮しないでしょうが」
「カネにならない優しさ振り撒いてどうすんだよ」
「これが資本主義の犬ってやつですね、信じられない」
「俺はむしろそこからなんでそう言う発想になるのかが信じらんねーわ!もう名古屋の駅前着いたから路駐すんぞ!」
「違反切符切られればいいのに」
「どーせ降ろしたらミッドランドスクエアの駐車場行くから切られません!」
半ば追い出されるように車を降りると挨拶もせずに駐車場へと去っていく。
あのクソガキめ、と内心で毒を吐きながら新幹線ホームへと歩き出した。






割とどうでもいい補足
・八幡はコーヒー飲みすぎるとトイレ近くなるので眠気覚ましは炭酸水(お酒の割り材みたいな奴)です。おじいちゃんだからね。
・釜石は気に入ったやつを擦り切れるまで着るタイプなので持ってる服が少ない割にはあまり買い替えないのを周囲(特に明治生まれ組)が見かねて着物をプレゼントされること多いです
・鉄の記念日は12月1日に橋野高炉に火入れされたのを記念する日、つまり釜石の誕生日。
・東京大神宮は飯田橋にある神社、恋愛成就のご利益で有名。
・ミッドランドスクエアは名古屋の駅ビルでトヨタの名古屋オフィスが入ってる。

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