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コーギーとお昼寝

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100万本の薔薇ではないけれど

お届け物です、と届いた花の匂いに思わず顔をしかめる。
送り先は北九州・八幡となっていて贈り主の顔を思い出して深いため息が漏れた。
「……あいつは人を何だと思っとんかね」
別に花が嫌いな訳じゃないが、いかんせんあまりにも多すぎる。
煙草の匂いの染みついた男に大量の薔薇を送るなどどうかしている。
とりあえず何本かづつに分けて人に譲ろう、と思ってとりあえず10本づつに分けて薔薇を纏めてみる事にした。
10本の薔薇の束は10組完成したので100本薔薇を送ってよこしてきたのかと気づく。
もはや一昔前のものになってしまった携帯を開いて電話を鳴らしてやる。
『もしもし』
「八幡、なんで薔薇を送ってきた?」
『贈りたいと思ったから、じゃ駄目ですか』
告白されてから八幡は自分への好意を隠さなくなった。
時に奇行とも思える好意の発露を受けるのはいつも自分で、それを拒むこともなくただ淡々と受け止めている。
「こっちの迷惑も考えてくれ……こんなもんどこに置いたらいいのか」
『事務所にでも飾らせてもらえばいいじゃないですか』
「100本も飾れるような花瓶なんぞ無いわ!」
『……花瓶もセットで送った方がよかったですかね』
「その発想がおかしいぞ」
『じゃあ何ならよかったんです?』
「もう勝手にしてくれ……」
だんだん頭が痛くなってきて電話を切る。
本当は構われたくてこの薔薇を贈ってきたのだろうか、と疑心暗鬼になる。
人前では官営として気を張る反動か自分への依存心は昔から強烈だった。
「寂しいなら寂しいと言えばいいのになあ?」
きっと切り捨てられないのは、結局自分も八幡が可愛くて仕方ないのだ。




ぴくぶらのイベント用に投げたお話1つめ。
八幡に甘い釜石さんの話。

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