「クーリスマスはおーどしーをかーっけてーくるー♪」
「なんやその悲しいホリデイ」
帰り道はクリスマスの色に賑やかな包まれているのにそんなことを歌いだすレッドハリケーンズにおもわずツッコミが漏れた。
「せやかて開幕前の仕事と年内中にやっとかないとアカン仕事に脅される気ぃしません?」
「そういいつつわざわざクリスマスイブに試合ぶち当ててDJ呼んだりしたやん」
クリスマスイブに合わせて行われた最後のプレシーズンマッチ。
そこに妙な気合を入れてイベントやりまくったのはレッドハリケーンズのほうで、俺のほうは大して何もしていない。
(まあ楽しませてもらったけどな!)
楽しい事は良い事だがこういうイベントごとに対するテンションの温度差は俺が歳だからなのか?といつも思う。
「せっかくのクリスマスですし」
「そーいうとこが若い子の発想なんよなあ、俺らそんなにクリスマス特別扱いしいひんもん」
俺の答えにあんまりぴんと来ていないようで「え~?」と首をかしげる。
「俺なんかクリスマスって言われてもそういやそんなんあったな程度やから、脅される感じないわ」
「でもクリスマスが来た!今年が終わるのに全然仕事納まらへん!って感じしません?」
「あー、今年もー……あと7日?やもんな」
指折り日付を数えるとすっかり年の瀬だという事に気づかされる。
という事は新リーグは2週間後か?うわ速い。
「2021年もあと7日って言われるとぞわってするんでやめてもらえます?」
「ま、頑張って仕事納めて正月明けたらラグビーの事だけ考えられるようにしとかんとな?」
「はあい」
イルミネーションとクリスマスカラーに包まれた町は、もうすぐ年越しの色に染まる。
新しい幕が上がるまでもう10日ちょっとだ。
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ライナーズとレッドハリケーンズ