「そういえば事務機ダービーで僕が勝つのって結構久しぶりですよね」
イーグルスは久しぶりの勝利への感涙をタオルで拭いながら此方に問う。
「七年ぶりになるか、随分汝も成長したな」
「速度はともかく成長しないものはないですから、これで安心して秋田遠征出来るなー!」
そう言いながらイーグルスは心地よい春の風を胸いっぱいに吸い込み、晴れやかな面持ちで空を見上げる。
正直に言えば今日の試合は最後のミスが響いてしまったように思う、しかしそれを誘い込むだけの地力を得たというのは正しく成長である。
「少々血の気が荒くも見えたがな、何度か揉めていただろう」
「あー、まあ、そうですね」
「何か心当たりが在るのか?」
僅かな躊躇いの後、周囲の目を確認して小さな耳打ちをする。
「……ここだけの話ですけど、今日うちの親が会長と一緒に来てたんですよね。勝ったら特別勝利給出すって言われてたんでそれでヒートアップしやすかったのかも」
そこまでこの試合に思い入れがあったのかと言う感想の前に、イーグルスは唇に人差し指を当てて他言無用を知らせてくる。
個人としての我らは付き合いの長い先輩後輩であるので話しても良いと判断したのだろう。
しかし内容が選手の士気に係わる事だ、我が必要以上に人の話す事を嫌がったのだろう。
「イーグルス、「はい?!」
「秋田土産は稲庭うどんを頼むぞ、我は稲庭うどんを食べた事が無くてな。ついでにいい酒を一本」
口止め料の意味も含め手土産を頼むと後輩は「……先輩のお望みのままに」とほほ笑んだ。
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ブラックラムズとイーグルス。
事務機ダービー楽しかったなー!