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コーギーとお昼寝

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君津と毛染め

「君津、そろそろ髪染め直したら?」
久しぶりにうちへ来た東京がそう告げる。
自分たちは人間と違い髪の毛が伸びることはあまりないのだが、本来の毛の色を抜いて金色に染めた髪は定期的に染め直さないと色が黒ずんでくるのだ。
「あー……ほんとだ、少し黒ずんでら」
「だから染め直せば?って」
「わーってるよ、だいたい俺が最初染めた時は全否定だったくせに」
そうなのだ。
最初に俺が髪を染めて金髪にしていたのを見たとき、東京は「あり得ない」と全否定だった。
『大人になるってそう言う意味じゃないだろ!』
『東京には関係なかろーが!』
『だからって金髪はねーよ……八幡なら失神してるわ……』
実際話を聞いてやってきた八幡も黒く染め戻せと言っていたのだが、俺にとってこの金髪は自立の象徴であったし鹿島のあの淡い茶髪や千葉の赤い瞳に対する憧れもあったので今更黒に戻す気にもなれずこれだけはいう事を聞かないで押し通したのだ。
ちなみに、鹿島と千葉は『アリじゃない?』『目立つしいいと思うよー』と肯定的だった。
歳を重ねるごとに方言も抜けていき、カラーコンタクトが世に出回るようになってからはカラコンを付けて青い瞳にもなった。
そうして八幡に守られる子どもでも、四日市の生まれ変わりでもない、ただの君津の姿がようやくできたのだ。
「でも結局許したろ?」
「まあな、八幡が何も言わないなら私や光はケチのつけようがないだろ。今じゃその金髪がお前らしさだしな」
東京は苦笑いしつつ俺を見る。
でも俺はちゃんと≪俺≫になれているのだろうか、とたまに考える。





太陽が昇る海の後日談的な君津と東京の話。
サイトのデザイン少しいじった記念にまとめて更新してみました。

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