*全神栖市民に土下座すべきシリーズの新作です。
*ぼちぼちデレる。
(ああくそ眠い)
波崎が消えて一年が過ぎ、2006年8月になった。
どこにいてもあいかわらず銚子が人んちに来る。
正直めんどうだが、あいつが貰ってくる魚や野田の醤油が美味しいので受け入れている。
「はー・・・・・」
波崎がいないことが、こんなにも精神面にクるとは思わなかった。
前途多難だ神栖さん!もう一つの自分ちとも言える市役所の自分専用スペースのソファーベッドに寝そべり、夏空を見渡す。
そうだ、波崎は海と同じ青い目をしていた。
「ちょっといいかぃ?」
「・・・・・・なんで居るんだ」
「橋の件でなぁ、まあたいした用事ではねぇけどなぁ」
ほれ、と茶封筒を手渡される。
相変わらず市役所職員(自分のような存在は一部例外を除き表面上はそういう扱いになる)と偽る気のないラフすぎる服装にもはや何もいえない。
「そうかよ」
「なんだぃ、夏バテかぃ?」
「違う、ただの寝不足だ」
「なら寝れるうちに寝ときなせぇ」
「仕事中に寝られるか」
自分専用スペースを与えられているとはいえ、仕事中に寝られる神経は持ち合わせていない。
これでも工業地帯の中枢という使命感の一つや二つ持ち合わせているつもりだ。
「・・・・・・そうかぃ、夕飯持ってきてやろうかぃ?」
「白身魚のフライ」
「タラでいいかぃ?」
意外にも料理上手(いわゆる『男の料理』ではあるが)なのはつい最近知った。
かなり大ざっぱではあるが美味しいのでまあいいと思うことにした。
「構わない」
「なら、夜にまたここに遊びに来やしょうかねぇ」
「外で待ってろ、近くに着いたら電話鳴らせ」
「へいへい、けなげな嫁さん気分だ」
「・・・・・・鹿島の火力発電所に投げ込んでやろうか」
つづく
正直、このシリーズいつ終わるのか全然分からない。
あと口であーだこーだいいつつこれでも神栖はデレなんだぜ。