「まだおいは死んどらんぞ」
試合後に着ていたシャツを指差してブルースさんがそんな事を言う。
ブルースさんへの感謝を込めたThanksシャツが気に食わなかったらしく「間違えました?」と聞く。
「あくまでうちは活動休止やけん、5月以降に新しく面倒見るっち言うてくれる人が見つかればすぐ戻る」
この不景気真っ盛りの時代にできるのかも分からないことを口にする。
「さすがにそれは夢見過ぎじゃないっすか?」
「プロが夢見れんでどぎゃんするとね」
当然のような口ぶりでブルースさんが告げる。
(マジでこの人夢見がちのガキンチョのまま死んでくんだな)
親から一度切り離された時の絶望感は知っているけれど、ここまでくそポジティブに生きて行こうなんて思った覚えはない。
まあ今は良いんだけどね?親会社のくくりから外れることで得られた自由も気に入ってるんで?
「ブルーシャークス、おいにありがとうだの尊敬だの言う前に勝ち点よこせ」
「それは無理ですねえ」
すっかり癖になった人当たりのいい笑いに「へらへらしよるな」と叱られる。
うっせえわとがなり立てる歌手のようにまだこの人は足掻くのだろう、本当の死を迎えるその日まで。
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ブルーシャークスとブルース。
私の脳内青さんはこういう感じです。