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コーギーとお昼寝

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前途多難だ神栖さん!7

*永遠にデレてくれる気がしないシリーズです、放置プレイしてすいませんでした。


正月から早数ヶ月が過ぎ、2006年初夏。
「いい加減優しくしてあげればいいのに」
「禿同」
「・・・・・・・・香取、お前ふざけてるだろ」
「ソンナコトナイヨー」
何故か腐れ縁二人に宥めすかされていた。

前途多難だ神栖さん!

東国三社というものをご存知だろうか。
俺のところにある息栖神社、鹿島の鹿島神宮、香取の香取神社の3つに御参りするという風習だ。
今でこそ廃れた風習ではあるが、その事がきっかけで三社参りの神社を有するこの3人は妙に馬が合った。
「まあそれに銚子はハナからガチの人なんで問題ない!つかむしろ幸福です!」
「鹿島、ちょっくら火力発電所に投げ込んできてもいいか」
「まあまあまあ・・・・・・」
ただどうして香取がこうなったのかは俺には理解できない。
出会ってから200年ほどの時を経て、何故か香取は見事な腐男子となっていた。
「まあ銚子そのものは悪い奴じゃないしさ、神栖もそれぐらいわかってんでしょw」
「分かってても腹立つ」
「でもさー、銚子が『前よりも対応が柔らかくなった』って言ってたし友達付合いぐらいはいいんじゃね?w」
「うん、そこは僕も思ってた。」
「鹿島・・・・・お前もか」
思わず俺の絶望感が口からこぼれる。
「いや、神栖の銚子への対応柔らかくなったと思うもん」
鹿島にまで言われたその言葉に思わず頭を抱えながら正午の鐘の音が俺にあきらめろといってる気がした。

*         *

家に戻れば噂をすれば影という奴なのか、銚子がいた。
「よぉ」
「・・・・・・・よぉじゃねぇだろ」
「茹で蛸おすそ分けしに来た」
「ああ、そういやもう5月か」
箱一つ分の茹蛸を貰い受けていた。
「断わらねぇのか」
「食い物に罪はないだろ」
俺は意外とこいつが好きらしいという事実を受け入れざる終えなくなっていた。








つづく

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一夜の約束

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呆れても良いよ、それでも君が好きだから

ああ、めんどくさいことばかりだ。
インフルエンザで倒れたというのに千葉が『銚子のぶんのしょるいがあるの』だと言って呼び出すとは。
「ちょうし、お久しぶりなの」
「ああ、久しぶりだなぁぃ」
「お誕生日おめでとうなの!」
そう言って小ぶりのブーケを渡されて、そうかと思い出す。
今日は2月11日、俺の誕生日だった。

呆れても良いよ、それでも君が好きだから

貰ったブーケをグラスに入れてごろりと寝そべる。
なんで人間でないのに風邪を引くんだろうかと昔は疑問だったが、今はもうどうでもよくなっていた。成長なのか諦めなのかはわからないけれど。
「銚子」
「・・・・・神栖、珍しいなぁぃ」
「橋の整備関係の書類届けに来たらお前がインフルでぶっ倒れたと聞いてな、いいざまだと思ったついでに直接渡しに来た。
いちおうお前に目だけ通しとかないと後々めんどくさくなること確実だから」
「一部聞かなかったことにしてやるけど、俺に見舞いの品はねぇのか」
「これ飲んどけ」
渡されたのはひんやりとした青いペットボトルで、スポーツドリンクのようなものではない。
「これぁなんでぇい?」
「経口補水液だよ、熱とか下痢で脱水症状起こしてる時に飲む奴」
「ふうん」
ボトルの口を開いて、飲むために起き上がろうとするが起き上がる腕の力が出ない。
「・・・・飲ましてくれないかぃ?」
「断る、起こしてやるから自分で飲め」
背中に腕を滑り込ませて俺を起こすとボトルにストローを差して俺の口の前におく。
「・・・・・お前さんの優しさは変わってらぁ」
「普通だ」
平熱のはずの神栖の腕が冷たく感じられる。
「そういうとこは好きだねぇ」
「あほか」
いまなら俺はどうなってもいい。
こいつの腕の中ならたぶん。









タイトルお借りしました→「群青三メートル手前」さんhttp://uzu.egoism.jp/azurite/

たまには銚子にいい目にあってもらいました。そしていまさら過ぎる・・・・。

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世話焼きな彼のセリフ

1.手伝いますからもう少し頑張ってくださいよ
下妻はやさしい。
「何ですかこの書類の山」
「・・・・・終わらなかった」
「頑張って終わらせてくださいよ、手伝った上に美味しいもの作りますから」
「・・・・・うん」
そして、下妻は自分を手のひらに転がすのが上手だ。

2.俺はあんたの保護者じゃないんですけどね
「下妻、悪いけどこれ全部頼むわ☆」
「・・・・・下館、あんたも学習したらどうですか」
「だって俺名目上は学生だし」
「殴り飛ばしますよ」
「つくばは甘やかすのにー」
「甘やかしてないわっ!」

3.本当にちゃんと確認しました?
「・・・・・・つくばさん、どうしたらこんな惨劇が」
「いや、レンジで牛乳温めたら牛乳が突沸して!」
(過熱状態の時に刺激を与えると沸騰する現象、むちゃくちゃ危険)
「IHでホットミルク作れって言いましたよね?この間も同じようなことやってましたよね?」
「うん・・・・ごめん」
「まあ無事ならいいですけど」

4.まだ俺がついてないとダメそうですねあれじゃ
「東京さん、どうしてあんなにつくばさん甘やかしたんですか」
「特に甘やかしたつもりは無いのですがあんなふうに成長しちゃったんですよ」
「いい加減独り立ちさせたいです」
「なんだかいつも苦労かけてますよね」

5.馬鹿じゃないですか、あなただからです
「下妻はどうして自分の世話やくの?」
「危なっかしくて見てらんないんですよ昔から」
「ふうん」
「それにあなたが好きだからですよ」







バカップル結婚しろと思った人は拍手どうぞ。
うちの創作擬人化組で一番結婚近いのこいつらだよ。

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たまにはお礼

バレンタインという行事がある。
「・・・・・・義理チョコ、どうしよう」
別にモテる訳でも無いのだけれど毎年大量のチョコレートが関係者から渡され、かつそのお礼もすべきと言う意味で毎年このことには頭を悩ませていた。
特に最も世話になっている(そして最も迷惑な)隣人のご希望を考えるのも、結構大変だった。
そういえば今年の14日は火曜日で、向こうは仕事だ。
(毎年バレンタインは方々から送られる大量の義理チョコから逃れるために休んでいた)
「弁当でも作ってみようかな」

たまにはお礼

2月13日、夜
炊き込みご飯の仕込みが終わり、食材の下ごしらえも終えて明日の準備を一通り整えた。
本当は使いたくなかったけどはやぶさのランチセット(弁当箱はこれといつも使ってる傷だらけの奴しか持っていなかった)を並べておく。
しかしこうやると新妻のようにも思えてくるんだから困る。
(新妻やってるのはむこうでしょ・・・・・)
数々の新妻じみた行動を思い出しつつ。それでもあの人は綺麗なんだから困る。
あくまでも客観的に見ればあの人は綺麗なのだ、顔だけ見れば。

*         *

2月14日、朝
「ちょっといいですか」
予め水戸線に話をつけておいたお陰で、朝っぱらから家にお邪魔する。
「小山・・・・・まさか貴方が来るとは思いませんでしたよ」
「え?」
「だって毎年、県内から職場に届くチョコレートから逃げてるでしょう?
だから私は毎年家に押しかけてるのに今年は貴方のほうが来るのは意外でした」
言われて見ればその通りだ。
しかも今回は弁当まで持ってきてるわけだから、俺の脳裏にある諺が浮かぶ。


(・・・・・これぞまさしく『鴨が葱を背負ってくる』だな)


笑うしかない。
そうだ、普通自分のことが好きだと言う相手に弁当作るのなんておかしい。
「あなた、いま目が死んでますよ」
「え、いや、あー・・・・・すいません」
今の今まで気づかなかった自分をたこ殴りにしたい。
「ほら、今年のチョコレートです」
そう言って渡されたのは都内の老舗メーカーの高級生チョコだった。
高級そうな金色のパッケージだが、結城さんは毎年配る分は全部手作りのはずだ。
「今年は手作りじゃないんですね」
「だって去年嫌だって言ってたでしょう、手作りは何が入ってるか分からないって」
「去年宇都宮さんから届いたレモン牛乳チョコのせいですけどね・・・・・」
あれはどう考えてもひどかった、なんせまずいと悪名高いレモン牛乳が生クリーム代わりに使われたお陰でレモンとチョコレート不協和音が口で広がって殺人兵器レベルだった。
「だから今年は手作りです、宇都宮線に案内してもらいましたけど」
そういえばこのブランドは宇都宮線の姉である高崎線がお気に入りだと言っていたものだった。
「じゃあ、これお礼です」
弁当を渡すと鴨にならないうちに走り去っていった。




数時間後
『もしもし、яだけど』
「古河さん?」
『結城が倒れたから引取りに来てもらえる?』
「ど、どうして?!」
『小山の手作り弁当にわくわくしすぎて階段踏み外した』
俺はなにも言えなくなりながら分かりましたとだけ答えた。

『相手にお弁当を作ってあげようと頑張る』『結城小山』を描きor書きましょう。 #kawaiiCP http://shindanmaker.com/62729







うちの結城さんはどうしてこうも残念なんだろうと思いつつ。
こんなんでも愛はあるんです、愛は。

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