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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

鉄路の2人

「あー……うちも自前で電車走らせてみてえなあ……」
新しい煙草に火を灯しながら此花が呟いた。
喫煙所の前に並ぶくろがね線のレールは今日も美しい黒光りを放っている。
目前を走る武骨な列車が運んでいるレールは、これから広島に行く新幹線用のロングレールである。
「あなたのところ狭いからそんな余裕ないでしょう」
「いやそうだけど、お前のとこと違って生まれてこの方鉄道用産品しか作ってないんだから自分で作ったもんを自分で使ってみたいとか思う訳ですよ」
「電車に乗ればいつでも味わえるじゃないですか」
「そうだけどさー、自分で作って自分で使うとかできないから羨ましーなーって話」
生まれた時からレールの鋳造を行っていて、初の国産台車の開発にもかかわっており、いまも日本で唯一の鉄道用車輪製造を担う此花の鉄道への思い入れは他の誰よりも深い。
だからこそ私のように自前で鉄道を持ち、走らせられるのが羨ましいのだろう。
「うちも自前で線路欲しいわー」
「引けばいいじゃないですか」
「でもうち狭いからなあ」
「それなら和歌山のところで使って貰うぐらいで我慢すればいいんじゃないですか?」
「……お前の夢のないとこホントきらい」
「夢じゃご飯は食べられませんからね」





八幡と此花の鉄路コンビ。

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キャラ設定に入れるほどでもないラグビー組の設定

わりとタイトル通りのもの。思い出したときに随時追加。


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大洗くんは節約できない

またしょうもない小ネタです


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試合の後には

短い小ネタ中心です


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風邪の話

37度0分。
緩慢な動きで確認した体温は微熱のようだった。
メールで職員に確認を入れてみると、どうも空調設備の不具合が出たとかで仕事への支障は出ないが不具合の出た範囲が広いので修理には丸一日かかりそうだという。
身体が重くて、もう何もする気になれない。
(……葺合がそばにいてくれたら良かったのに)
そう思いながらそっと目を閉じた。

****

「……みや、西宮」
私を呼ぶ声がしてゆっくりと目を開けると、尼崎がいた。
此花と同じ瞳の色をした彼はひどく心配そうだ。
「あまがさき?」
「そうだよ、尼崎だよ。此花が『西宮に電話入れてるのに繋がらないから様子見に行け』って言われたの」
「ああ……余計な心配かけてごめんなさい」
「体調悪い?」
「設備が調子悪いみたいで、どうもその余波が私の方に来てるみたい」
「そっか。千葉くんとか水島ちゃんとか電話入れたら?」
「向こうは向こうで忙しいから……明日には体調も戻ってるだろうし」
それは本心だった。
千葉も水島もうちの大切な主力なのだから、すぐに治る程度の不良で余計な心配をかけさせてもしょうがない。
「西宮って、そういうトコは似てるよね」
「……誰に?」
「葺合さんに。ほら、あの人も人に弱み絶対見せないぞって感じだったからさ」
「頑固さは川鉄の伝統なのかしらね」
「そうかもね、俺今日は暇だし葺合や此花の代わりぐらいにはなるよ」
「大丈夫よ」
尼崎の声掛けで、少し気が楽になった。
「本当にどうしようもなくなったら電話するから」
「うん」




西宮と尼崎。実は隣人な二人のはなし。

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