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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

彼と彼女の話

「そういえば、旧住金の最年長って此花の製鋼所ですよね?」
八幡の唐突な質問に「そうですね」と答える。
新日鉄と住金の併合後、何かと交流を持つようになったけれどこの100歳オーバーの製鉄所の扱いは難しい。
「まとめ役の話なら八幡が旧新日鉄のまとめ役やってるのと同じですよ、旧住金の主力は俺と鹿島ですから」
「そうでしょうけど、此花の製鋼所もそうですけど尼崎や小倉もいたじゃないですか」
「尼崎は製鋼所が言うならって感じで、それに小倉は浅野系列系の出だから住金内部の事にあんまり関心ないきらいがありますから」
今のとなっては遠い昔の話だ。

1942年(昭和17年)
「起きたかい、ちびすけ」
こげ茶の髪に桜色の瞳が目に飛び込んできた。
周囲を見渡せば飛び込むのは煙草臭いオフィスの景色だ。
「自分が何者か、わかるかい?」
その問いかけを頭の中で噛み砕き、ゆっくりと息を吐き出すように名前を口にする。
「……す、すみともきんぞくこうぎょう、わかやませいてつしょ……」
「良く言えたな。ようこそ、あたしたちの新しい弟。」
さらりとその掌が髪を撫でた。
その瞬間に、確かのこの人たちは自分と同じものなのだと理解したのだ。

「八幡さんは、自分が意識を得た瞬間に見たものって覚えてます?」
「私が最初に見たのは釜石の顔と、屋根の天井でしたかね。釜石に抱きかかえられていましたから」
なるほどと軽く笑みが零れる。
きっと誰もが遠い記憶を胸の奥に抱えながら、今日を生きている。




和歌山の幼少期のお話。
ちなみに和歌山が生まれた頃にはまだ小倉は浅野系列の独立企業でした。

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市町村擬人化外見マトリクス



Twitterにあげていたものを忘れないうちにこちらへ貼り直し。
*メモ代わりの補足
・潮来が女顔に振り切れているのは女装設定のため
・名前が出てこない人はマトリクス製作時に思いつかなかったため
・筑西と桜川は外見年齢が成人した時の位置
・横向きなのは仕様

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結城家関係の刀剣擬人化

自分用のメモみたいなもの。
刀剣乱舞の世界観を借りてます



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もう夏なんか愛さない

*ぷらいべった再録

*カシオペア→北斗星なお話



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鰻とコロッケ

梅雨明けと同時に襲い掛かって来た酷暑はじりじりと体力を削っていく。
夏バテ気味の身体を日影に横たえ、日暮れを待っていた。
「龍ヶ崎いるかー」
(牛久だ)
チャイムと同時にかけられた声に重い体を引きずりながら玄関を開ける。
「よっ」
にっと笑って見せてきたのは小さな袋。
袋の中から聞こえるばちゃばちゃという魚の飛び跳ねる音が涼しげだ。
「それ、鰻?」
「利根川までサイクリングして釣ってきたから、一緒に食おう」
「今日金曜日じゃ」
「休みとった、こー言うのはお前と食う方が楽しいしさ」
昔から牛久は天真爛漫に笑う牛久は、綺麗だ。
それが何でこうも歪んでしまったものかと思わないでもないが、それでもいいさと思ってもいるのも事実だ。
「ここで捌く訳?」
「そうだけど」
「なら、どうぞ」
牛久を自宅に招き入れる。
街の中心部から一本路地に入った古い一戸建ては、イメージと違うなどと評されることも多いがまだ住めるのに金を使って新しい家を建てるのももったいない気がしてそのままだ。
台所に立った牛久は早速まな板を引っ張り出して鰻を捌き始める。
「龍ヶ崎って意外と物持ち良いよな」
「一度愛着が湧くと捨てられない性質なんだよ」
「確かに、お前は意外に情が深いよな」
それはお前に対してだけだけどな、というツッコミは止めておいた。
手早く鰻を捌くと、魚焼きグリルに入れて焼いていく。
その間に米を炊いたり持ってきた鰻のたれを温め直したりと慣れた手つきでうな丼を準備していく。
何かあると牛久がうな丼を準備するのは県南組の間では見慣れた光景となっているが、何度見ても不思議と見飽きる事が無かった。
「鰻と米の準備整うまで少し時間あるけど、どうする?」
「……冷蔵庫ん中に冷凍のコロッケあるけど」
「ああ、最近お前のところでお勧めしてる奴な。じゃあコロッケつまみにビールでも行くか」
そうして喜々として準備を始める牛久にを見つつどれぐらい食べられるだろうかと少しだけ心配した。

****

机の上には肝吸いに白焼きとうざくとうな丼に鰻茶漬け、日本酒とビール、そしてコロッケ。
牛久が大量に用意したウナギ料理と酒はいかにもがっつりとして胃に来そうだ。
「「いただきます」」
どれから行こうかと考えていると、鰻茶漬けとうざくが目の前に出される。
「こっちの方が夏バテ気味でも食べやすいと思うぞ」
「……気付いてたのか」
「まあな」
鰻茶漬けを一口食べると、少しだけ元気が湧く。
さっぱりしたお茶漬けはするすると胃に収まっていく。
(早く夏バテを治しておかないと)



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