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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

寂しい歌が聞きたい

確かにあれは恋だったのだ。
いつだって一緒に笑ってくれた人を、いわば自分で殺してしまったようなものだ。
だけれどそれはある意味で必然だった。
ならばなんて不幸な必然だろう。



寂しい歌が聞きたい



「つくば」
「・・・・・何?」
「つくづく思いますけど、あなたは筑波に似てるようで似てないですよねぇ」
ぷにっと顔をつねってみる。
「ちょ、痛い痛い痛い!」
「筑波はいつも笑ってたんですけどねぇ」
「いやここで比較するのはおかしいよね?」
ああ本当に理屈っぽい。
妙に理屈っぽいのは私に似たんだろう、県民性という可能性も無きにしも非ずということにしておこう。
「筑波は素直でしたよ」
「あの人はいい意味で単純だったから」
息子からそう解析されていいのかは甚だ疑問だ。
実際そうだと思うけれど。

***

『筑波は私を憎くないんですか』
『いいや?おらは茨城がでっけくなってくれればいい』
学園都市構想の受け皿にふさわしくないという理由により、筑波は将来的に消滅することが決まっている。
『それに、東京がおらんとこ選んでくれたのがうれしい』
そうやってあまりに悪気なく笑うものだから無性に泣きたくなった。










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五浦釣人のはなし

五浦の海が見える。
赤い建物と青い海の見える場所。
「あー・・・・・・」
「北茨城、汗だらだら」
「んじゃあハンカチ貸して」
呆れながら高萩がハンカチを差し出したので、ぐりぐりと汗をぬぐう。
海沿いの木陰とはいえ全国的な猛暑だという。
そしてゆっくりと歩きながらひとつひとつを目で確認する。
「そこまで必死に保守点検する理由ってあるの?あくまでもここは茨大の管轄だし」
「親が大切にしてたもの大切にするのは当然でしょ?」
五浦は何も残せないけれど、なんて言っていたけれどここを残してくれた。
まだ僕が生まれる遥か昔の画家の足音の残るこの場所を。










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【パラレル】君への愛は消えぬ

*いつもどおりの京成東武です。





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夏のイベントと言えば

ひたちなか海浜公園は人でごった返し、賑わいのさなかをいつもの三人が縦横無尽に走り回っていた。
「なあ水戸、日立とひたちなかは?」
「常磐も手伝いに来てくれたの?」
「そりゃあうちも臨時列車出したりして稼ぎ時だからなー・・・・・ロックインジャパンは」
日本有数の巨大フェス・ロックインフェスでひたちなかが燃えていた。

***

「・・・・・・夏、ですね」
「夏だねぇ」
休憩も兼ねてきゅうりバーを片手に会場の人ごみを歩く。
朝からずっとひたちなか市のブースで働きづめだったのでたまに休まないと持たない、まして日立はほぼ部外者に等しい。
いくらひたちなかの同居人とて働かせるのも周囲の気がとがめると言うものだ。
ちなみに日立は基本的に市役所よりも日製の工場にいる時間のほうが長いし、書類仕事よりもこちらのほうがよほど気質に合っているらしいので一切気にしていない。
「日立、なにかじってるの?」
「水戸殿はどちらにいらっしゃったのですか?」
「運営ブース、市ブースどこか分からなかったしさ」
「なるほどね・・・・・・きゅうりバー要る?」
「食べる食べる、とりあえず3人で巡って来ようよ」
日立のきゅうりバーを奪い取って、3人でいつものようにまたどこかへと歩き出す。
夏はどこまでもすがすがしい音に包まれていた。









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三千世界の果てで

流山おおたかの森駅
野田が差し出したマックスコーヒーを素直に受け取って、のどに流し込んだ。
「・・・・・・TXは、けーせー嫌い?」
「何でそう思うの」
「けーせーの目がね、たまに凍ってるから」
「あの人は」
別の人を自分から見出そうとしている、そう言おうとして筑波が止める。
その寂しい目を見ていたら言い返す気力が無くなった。
「・・・・なに?」
「東武には関係ないよ」
「そう」
「伊勢崎や京成が勝手に人のことを気にするだけだよ」
そう言うと納得したようなしていないような微妙なj表情をした。
「筑波がらみだと思った」
気づかなくてもいいことに気づいていた野田に何もいう気力も無かった。






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