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コーギーとお昼寝

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あてなよる

イチマルさん(@10_plus10 ‏ )ちの茨木さんをお借りしたお話。



高槻さんと大洗くんと一緒に茨木さんのおうちに招かれることになった。
たまたま大阪に行く用事があった大洗くんと私に、せっかくなら本場のお好み焼きを食べて行ってくださいという高槻さんのお誘いを受け気づいたら四人でお好み焼きパーティーをすることになっていたのだ。
「おばんですー」
「お邪魔するんだぜー」
「ああ、茨城さんと大洗さん。お久しぶりです」
出迎えてくれたのは茨木さんだ。
ジーンズにTシャツというラフな服装の上にはきなりのエプロン。
奥からは美味しそうなソースの匂いがしてくるから、もう既にお好み焼きの準備が出来ているのだろうか。
「手土産にうちで漬けた糠漬けを持って来たんで、良かったら」
「糠漬け漬けてるんですか……すごいなあ」
「知り合いのぬか床を受け継いだだけですからそんな大したものじゃないですよ、本当は自家製の納豆でもお持ちしようかと思ったんですけど関西の人は納豆が苦手だと言います持ち運ぶ時の匂いが不安なので……」
「納豆って家で作れるんですか?」
「作れますよ?少し衛生面は気にしないといけませんけどね」
他愛もない雑談をしながら広間に向かうと、すでに食卓の上は準備万端だ。
甘辛いソースの匂いが食欲をかき立ててくれる。
「あ、茨城町ちゃんいらっしゃーい」
「もごもごもごー!」
「大洗くん食べながら喋らないでよ、あと高槻さんはお久しぶりです」
ちょうどいい場所に腰を下ろす。
高槻さんが小皿お好み焼きを載せて差し出してくれ、茨木さんが「ご飯とお酒どっちがええですか?」と尋ねてくる。
「ご飯にお好み焼きっていまいちピンと来なくて……お酒でお願いします」
「はい」
どこからが薄口のワイングラスを取り出すと、慣れた手つきでコルクを抜いていっぱい注いでくれる。
濃緑のボトルから赤ワインが注がれていき、すっと目の前に差し出される。
「ワインですか……?」
「知り合いに最近教えて貰ったんですけどね、意外に合うんですよ」
隣に腰を下ろした茨木さんがお好み焼きと一緒にくいっと煽るのを見て私も一口飲んでみる。


(……あ、美味しい)

特別お酒が好きな訳ではないけれど、なんとなくこれは美味しいなと分かる。
牛久さんあたりなら葡萄がどうこうとか言えるのだろうけれど私はあまりお酒に詳しくないので美味しいというほかない。
「どうです?」
「あ、すごく美味しいです!」
こういう組み合わせもあるのかあ、と思っているとグラスが空になる。
「二杯目、行きます?」
「ぜひ」
「あんまり呑み過ぎるなー」
いつの間にか赤ワイン片手の大洗くんを尻目に、私のグラスに新たな酒が注がれる。
しゅわしゅわと涼やかな音色を立てながらシャンパンがロゼ色に変わっていく。
「どうぞ」
言葉に出来ないときめきを感じる。
飲み干したグラスからは、赤ワインとシャンパンのブドウが心地よく踊っているような気がした。

****

俺の目の前で茨城町は熟睡していた。
あの後茨木に勧められるがままワインや何かを飲みはじめ、そのまま熟睡してしまったのだ。
「……高槻、もしかして最初から?」
「いや別にそういう目的でお酒勧めたわけやないよ?!」
「ええ」
高槻の作ってくれた赤玉パンチ(赤玉ポートワインに炭酸水をいれる飲み方だ)を飲み干す。
茨城町は特別酒に強くないのでそろそろ止めようかと思っていた矢先に寝落ちしてしまったのだ。
「そうだったら真剣に絶交するんだぜ……」
「なら、大洗さんも泊まっていきます?」
「いいけど、茨城町と俺は同じ部屋で寝るんだぜ」
「え、待って、大洗茨城町ちゃんと一緒に寝るん?!」
「俺は茨城町が生まれた時からずっと知ってるから異性としての興味ないし、何より下手なことしたら水戸と死んだ長岡(旧長岡町)に六国に放り出されるんだぜ……?」
ちなみにこれはマジである。
旧常陸国は全員庇護下だと思っている節のある水戸と、あの子の一番の保護者だった長岡なら下手なことすれば生き埋めにされかねない。
「……それなら、うん、」
「それに、俺だって茨城町は可愛い妹分なんだぜ?」
マジで何かあったら容赦しねえからな。
心からの想いを無言のうちに伝えると、茨城町を抱きかかえて寝室に連れて行った。


ちなみに、この夜本当に何もなかった事で茨木の理性に信頼を置くようになりひいては茨城町の恋を応援しようと思えるきっかけになったことはいうまでもない。

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