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コーギーとお昼寝

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チョコレート忘れた

※サンゴリアスとワイルドナイツが付き合ってる世界線

カレンダーを見て「あ」とつぶやいた時にはもう遅かった。
「……バレンタインチョコのこと忘れてた」
毎年付き合いのあるメンツにウィスキーボンボンとかお酒に合うチョコを作って送っていたのに、今年はそれをきれいさっぱり忘れていた。
ブレイブルーパス先輩なんかは気にしないだろうけど、なあ……。
脳内で青いしっぽ毛を垂らした熊谷の男がふてくされてるのを想像して厄介な気分になる。
何より今日は平日で仕事があり、チョコなんて作る余裕もない。
いやまあ根本的にバレンタインのこと忘れててくれるとありがたいのだが、無理だろうなという気もする。
あいつにとってはずっと好きだった奴と過ごす初めてのバレンタインなのだ。
男でもこいつならいいかなあというふんわりした気持ちで付き合うことを承諾した俺とは違うのである。
グダグダ考えながらスーツに着替え、朝ごはんのおにぎりをレンジで解凍していたそのとき。
『きょうの昼あたり日比谷のほう来れたりする?』
ワイルドナイツ本人からのショートメッセージだった。
外回りの予定を確認してから『仕事終わりならいけると思う』と返す。
『わかった、夕飯一緒に食おう』
それまでにチョコ買うしかないかなあ、とぼんやり考えた。

****

午後7時、混雑した電車を降りて待ち合わせの改札を目指す。
何故かこういう日に限って仕事が立て込んでしまうのはなぜだろうと心底思う。チョコどころか昼飯もろくろく食う余裕がなかった。
改札を抜けて目的の人物を目で探そうとすると「おつかれ」と声がかかった。
「ワイルドナイツ」
「東京ってどこの駅も混んでるよね、うちわ祭りの熊谷駅前よりひどい」
「ならなんでお前は一発で俺が分かるんだよ」
「好きだから」
付き合いだしてからワイルドナイツには恥じらいが消えた、素面でこういうこと言えるのはある意味すごいと思う。
「飯屋どこに行くんだ?」
「ドイツ料理、一番上からビールが美味しいって聞いたから」
「お前相変わらずお兄さんたちに辛辣だな」
「バレンタインの特別ディナー予約してあるからサンゴリアスがあんまり遅くならなくてよかった」
表情はいつも通りなのにどこか声が弾んでいて浮かれてるのがもう声色でわかる。
その様子を見てるとバレンタインを忘れてた罪悪感が心の突き刺さってきて、これもう俺がケツ差し出す覚悟したほうがいいかもなあ……などと思ってしまうのだった。


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バレンタインのサンゴリアスとワイルドナイツ。
いつも付き合ってないクソデカ情愛ばっかり書いてるのでたまにはラブ寄りのやつを。
そしてバレンタイン遅れてしまってすいませんでした。

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