11月1日。
「常総さん、起きてください」
「……下妻?」
むくりと起き上ると、仮眠室が鮮やかに飾り付けられていた。
ごしごしと目をこすってもやっぱりここは仮眠室だ。
「「「「開業100周年おめでとう」」」」
クラッカーとそれぞれの声が鮮やかに耳に届く。
「今日に合わせてみんなで準備してあんだからな」
「まあ、真館がいないのは残念ですが」
下舘と水戸線がそう言ってさらりと頭を撫ぜる。
見慣れた顔が勢ぞろいして、楽しげにこちらを見ていた。
「ふぇふほふんふぇふぉ」
「京成、食いながら喋るなよ……」
誰もが僕のためにこんなにも楽しそうに笑ってくれる。
それがひどく幸せで、みんなを抱きしめたくなる。
「常総、まだ僕らは兄弟になってまだそう長くないですがこれからもよろしく頼みますよ」
「……うん」
鮮やかに遅刻した常総線100周年でした。