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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

3月の夜に沈む

「『夏から春のすぐ来るやうな、そんな理窟に合はない不自然をどうかしないでゐていださい』」
今日だけでいいから添い寝して欲しいとねだられて数十年ぶりに同じ部屋で寝た翌朝、八幡が唐突にそんな言葉を漏らした。
確かそれは少し前に出た人気の詩集に出てくる言葉だ。
「なんで今それなんじゃ」
「『小鳥のやうに臆病で大風のやうにわがままなあなたがお嫁に行くなんて』」
そういうことか。言いたいことは理解した。
この男は拗ねていてるのだ。
突然訪れた別れを惜しむことなくあっさりと受け入れた事に対して自分はその程度の存在だったのかと子供のように不機嫌になっている。
「『元素智恵子は今もなほわたくしの肉にいてわたくしにわらふ』……物理的に離れたところで精神は離れんさ」
「釜石は、私がいなくても平気そうなのが嫌です」
どこぞの詩人が言うところの≪茶色い戦争≫が終わり、政治の判断により自分たちは別れて暮らすことになった。それを彼は嫌っているのだ。

「一人になったとしても、生きていくしかないからなあ」

そう言った人間らしい感情を持つには自分はあまりにもたくさんの人間の生と死を見過ぎてしまったのかも知れない。
自ら死ぬことの出来ないこの不便極まりない身体を抱えてただ歩くほかないのだ。





戦後の八幡と釜石のある夜の一幕。
引用した詩はこちらを参考にどうぞ。茶色い戦争は書かなくても分かるだろうけど中原中也です。

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にのぜさんからのいただきもの


いただきものはこちらから
にのぜさん(@2_no_ze )から誕生日祝いに室蘭くん頂きました。
少しくせっ毛な感じとか、もっこもこの服装とか、可愛い以外の何物でもないですよね……ありがたやありがたや……



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冬が始まるよ

11月の北海道は完全に冬だ。
窓の外にぽつぽつと降る湿った雪を見ながら布団から這いずり出て、ラジオのスイッチをつける。今日の天気予報を聞き流していると今日は一日中この天気だと告げられてため息が漏れる。
「……ほんと、寒いのはやだなあ」
生まれも育てもこの北海道室蘭と言っても寒いのが好きな訳じゃないのだ。
まだ高炉近くの40度を超える暑さの方が耐えられる。
今日の朝食はインスタントのコーンポタージュとロールパンが三つ。質素と言えば質素だが朝は食欲がないのだから仕方ない。
お湯が沸いたころにはラジオは地元のニュースから全国ニュースの時間になり、それを聞き流しながら軽く朝食を済ませる。
使い終わった食器を軽く洗い流して、歯磨きと洗顔を済ませた頃にはちょうどお出かけの時間だ。
愛用のダッフルコートにブーツを履けばいつも通りの仕事の時間。
ラジオは止めたし、戸締りも完璧だ。


「さて、行ってきますか」

今日も寒いけれど、仕事の時間だ。


室蘭の何てことない冬の朝の話。

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牛牧衣織さんからのいただきもの

牛牧衣織さんからまたイラスト頂きました!
フルカラー立ち絵です!
今回のために線画の書き直しなどもしてくれたそうでありがたやありがたや。
さらっと室蘭さんも増えてる!ショタ!もふい!かわいい!


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初恋泥棒

にのぜさん(@2_no_ze )にリクエストを頂いて書いた此花→新居浜×住友(財閥)
新居浜さんはにのぜさんちの子です。


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