忍者ブログ

コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

最後だと分かっていたとして

三連休は呉のところで過ごすつもりでいたのに、ちょっと前倒しになりそうだと聞いたので急遽休みを交代してもらってきょう行く事にした。
「呉!」
愛しい人の名前を呼ぶとその目にすこし光が戻って来て小さな声で名前を呼んでくれた。
「どうしてここに?土曜日に来るんじゃ……」
「休みを交代して貰ったんだ」
「無理を言っちゃったかな」
ポツリと呉が僕を見てつぶやく。
「大丈夫だよ、みんな分かってるから」
東予や桜島・次屋も呉と会って話せるのはこの三連休が最後だろうという覚悟はしていた。
広畑も仕事に大きな支障が出ない限りどこで誰と会おうと咎めない、と言っていた。
だからちゃんと交代して貰った上で来てるのだから大丈夫だ。
「周南、」「うん?」
呉が僕を撫でてきた。
働き者の無骨な手はちょっとざらついていて、でもすごく温かい。
「すきです」
「うん」
「出逢った時から今日のいままで、周南が好きです」
愛しい人の愛の言葉を脳髄の隅々に至るまで染み込ませるように、呉は繰り返し愛の言葉を告げてくれる。
呉の製鉄所としての機能はきょうで終わり、解体が始まればきっともう会うことも声を聞くこともできない。
だからせめて溢れるほどの愛を乞うのだ、

____
呉周南の、最後かもしれない日のはなし。

拍手

PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

バーコード

カウンター

忍者アナライズ