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コーギーとお昼寝

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そーれそれそれお祭りだー!

『25日は開けといてくれ、伝達式の後鍋パーティーしよう』
牛久からのメールが届いたのは稀勢の里の横綱昇進が決まった1時間後の事だった。
稀勢の里優勝の次は横綱昇進である。牛久はそれはそれは喜んでいて、喜びのあまり牛久沼に飛び込んだという噂が地元で語られているとかいないかとかのレベルである。風邪をひくからやめて欲しい。
昼間の優勝パーティーは自分の家に呼べるだけ呼んでのどんちゃん騒ぎだったが、横綱昇進は静かに祝いたいらしい。
『了解、何か要る?』
『野菜でも持ってきてくれれば助かるな、酒と肉と魚はある』
優勝パーティーの時、それぞれが思い思いの手土産を持ち込んできていたからそれがまだ残っているのかも知れない。初優勝に沸き立って常陸牛やローズポークに霞ヶ浦の魚たち、そして県内各地の数えきれないほどの酒の山が積まれた牛久の家を思い出す。
あれだけあれば鍋の具材には困るまい。自慢の竜ケ崎の野菜を多めに持って行くことにした。

****

昼前に牛久の家のドアを開けると早速酒臭かった。
「……もう開けたんだ」
「おう」
ネストビールの瓶が一本空になっていて、飲みさしの二本目が机の上に鎮座している。
商店街で買ったらしいコロッケやメンチカツを流しながらテレビで繰り返し流される伝達式の様子を見返している。
「鍋どうする?」
「商店街で豆乳もらったから豆乳鍋で」
早くもほろ酔い気味の牛久をスルーしてやれやれという思いで土鍋に豆乳と予め切っておいた野菜を投入する。
ついでに冷蔵庫を開けると優勝パーティーの時に下妻の家から貰って来たという白菜がまだ半玉残っていたのでそれも刻んで投入しておこう。
あとは手羽元に常陸牛にローズポーク、それに大洗や鹿島灘の魚や霞ヶ浦のシラウオもまとめて鍋に放り込んでコンロに火をつけてから蓋をする。
「竜ケ崎ぃ、」
「うん?」
「三月場所は一緒に見に行こうなぁ」
へらっと嬉しそうに笑う牛久に、三月場所って大阪でしょ?なんて無粋なことは言えないのだった。





\稀勢の里初優勝&横綱昇進おめでとうございます!/

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