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コーギーとお昼寝

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そーれわっふるわっふる

そもそも、その日の結城市内はお祭り騒ぎであった。
天皇陛下とベルギー国王夫妻の来訪で市内に看板と垂れ幕が立ち、国道のバイパスが通行止めになり、駅前が人で溢れるという近年まれに見る盛況ぶり。
そうしてそのお祭り具合に浮かれている奴がここにも一人。
「……ワッフル?」
結城に呼び出されてみたら、何故か家主がノリノリでワッフルを焼いていた。

そーれわっふるわっふる

「ちくせい!」
「さくらがわ!」
ちびっこふたりぎゃキャッキャと喜び、古河と笠間が平然とソファーでテレビを見ながらワッフルを食い、何故か小山ものんびりエスプレッソを飲むという不思議な光景である。
「というか何故ワッフル?」
「ほら、きょうベルギー国王が来られたでしょう?それでメッヘレン(※ベルギーのアントウェルペン州の都市、結城とは姉妹都市である)から以前貰ったワッフルメーカーの事を思い出しまして、せっかくならワッフルを焼いてみようと思って作ったら焼きすぎましてね。それで小山さんを呼んだんですけど何故か古河と笠間と桜川がついてきて」
「別にいいでしょ?」
「いや古河は呼んでませんからね?まあ、それならついでに筑西も呼ぼうかと思いまして」
「それでこんな妙にいっぱいいるのな……」
納得しつつもとりあえず腰を下ろすとワッフルが目の前に出される。
真四角のワッフルの上に鮒がドーンと乗っかったそれに思わず一瞬固まる。
「鮒の甘露煮ワッフルです」
「何でや!」
「関西人みたいなツッコミ止めましょうよ」
「いや普通のワッフルにしろよ!というかなんで鮒の甘露煮?!」
「大丈夫です、古河が味見しましたけどイケます」
「Яが保証するよ☆」
「そりゃあ古河の特産品だもんな鮒の甘露煮!」
「筑西にはモンブラン風ワッフルです」
「そっちは普通じゃねぇか!つーか普通に美味そう!」
筑西の目の前に出てきたのはたっぷりの生クリームに栗のペーストのかかったワッフルだ。
相変わらず対応に差を感じるが筑西に鮒の甘露煮を出された日には川島橋を封鎖して木刀で殴りかかる心意気はあった。まあそうしたところで別に小山さんじゃないですしと気にも留めなさそうなところが結城の結城たるゆえんなのだが。




ちなみに、鮒の甘露煮ワッフルは下館が責任もって完食しました。

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