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コーギーとお昼寝

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しもつまものがたり?その6

「今年は花見客が少ないんだってね」
つくばさんがふいに呟いた。
お昼ごはんのから揚げはほとんど揚げ終わっている。
「ええ、自粛自粛のオンパレードですからね。」
「でも経済をまわす必要はあるよね?」
(また何か企んでるな?)
こういう言い回しをするときは大体何か企んでる。
「そうですねぇ?」
「だからさ、東京主催の一緒にお花見に行こうよ」
「・・・・・・え?」

しもつまものがたり?

僕らにとって東京さんは僕にとって雲の上の人だ。
片田舎の人間にとってはまさしく「花の都大東京」(by長○剛)な訳だ。
そこに呼び出されるのは怪しい、と直感的に感じた。
だけど僕は断りきれずに来てしまった訳で。

*       *

東京・飛鳥山。
「つくばー!」
あれ・・・・多分牛久さんだよな、その横は大月(山梨県)さん?
んで鎌倉さんに柏さんに大宮さんに八王子さん?
なんとなくフィーリングで分かる人もいれば分からない人も多い。
(茨城県外に出る事は少なくても有名な人ぐらいは知ってる)
「・・・・・で、東京が会いたがってた下妻」
「え?」
つくばさんの一言で意識が引き戻された。
「いっっっつもつくばが世話になっています、一度その事を労っておきたかったんです。」
いい人だ、という僕の感想の代わりにぽろぽろと泣きそうになった。
「あ、ちょっと下妻!?」
僕のこの感激の涙から始まったお花見は大いに盛り上がったのは言うまでも無い。









「凄い悔しい」
夕日色に染まった電車の中で呟やかれた言葉。
それはふいに僕の好奇心を掻き立てた。
「何がです?」
「あのの涙、自分で出させるつもりだったのに」
ぶっすーっとふて腐れた顔で僕に花を渡した。
「これ・・・」
「あげる」
桜と青い花で作られた小ぶりなブーケだった。
花の数は10本か12本程度にも拘らず貧相に思えない美しいブーケだった。
(しかし男に花束ってセンスが解せないなぁ)
少しばかりの苦笑いと共に礼を述べた。
「それの意味、分かって言ってないでしょ?」
「え?」
「ダズンローズって言って結婚の時に渡すんだよ」
それは遠まわしなプロポーズと同じなことぐらいはすぐに分かった。
この人の目が返事を求めている。
(ああもうだからこの人は!)
ため息をつくと僕は、
「結婚はしませんけどお付き合いなら考えておきます」
もう既に電車は僕の降りる駅へとついていた。
(時間の中途半端さゆえに人気の無い電車内で良かった)
手を掴まれた直後、すぐにそう思った。
だって僕は、つくばさんにキスをされてしまったのだから。
「既成事実の出来上がり、もう」
逃がす気なんて無いからね?と言う顔はオスのヒョウに似ていた。


               おわり
-------------------------
気恥ずかしい事やらせやがって・・・・・・。
書きながら「このつくば気障男だな」と思いました。
要するにやっとこいつらがくっついてくれたと言う事です。

お持ち帰りは根性で逃げました。
と言うかがちゅんは無理、一応全年齢の腐向けサイトですので。





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