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コーギーとお昼寝

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はじめまして、日立です。






「ひーたーちー!」
街の郊外にあるおんぼろ家屋。
雨漏りしないこと以外よいと思えることがない家屋の中に、いた。
「・・・・・・水戸。めし、たのむ」
泥まみれの地面につっぷすちょっとおっさん化してきた奴。
それが日立である。

はじめまして、日立です。

「や、ちょっと何でそんな急に!」
「冷蔵庫修理・・・・・・熱中、してた。」
「つまり飯を食い損ねたんですね分かります。」
基本的に水戸は日立とつくばに頭が上がらない。(皆の収入的な意味で)
なのでたびたびこういう無茶に応じざる得ないのが現状なのである。
ほれ、水戸飯買いに行ってきな。
「うぇーい・・・・・」
「・・・・・・水戸、頼んだ。」
起き上がる気力もないのか床に突っ伏したままの日立。
とりあえずそれは人として駄目だと思うので座りなおそうか。
そして返ってきた一言は

「むり」

*                             *

「日立ー、飯買って来たぞー」
「・・・・・・さんきゅ」
「とりあえずシャケおにぎりと牛乳と弁当買ってきたんだが」
「あ・・・・・・」
よろりよろりとミイラのごとく立ち上がる日立。
そして舞い上がる砂と泥。
これも予想してか濡れタオルを日立に放り投げる。(良い子は真似してはいけません)
ぐじぐじと顔を拭き、飯を恐ろしい勢いで食べていくと水戸から質問が飛んでくるのです。
「なあ、冷蔵庫修理ってあれだよな。俺がこの間二日で直しとけって言ったおんぼろ。」
「・・・・・・そう。」
「さすが日立だな、そこはほめて使わそう。」
「佐竹様に、褒められる方が・・・・・・いい。」
「わっちは褒められるうちに褒めてもらった方が良いと思うんだがねぇ」
ひょっこりとやってきたのは一匹のペルシャ猫、伊勢甚ジャ/スコ・今のイ/オンです。
「伊勢甚、ひっさしぶりー!」
「久しいねぇ、水戸。日立。」
「・・・・・・久しぶり、家出した?」
普段は下妻の家で暮らしていて、そんな頻繁には来ませんが暇を良くもてあます猫ゆえに来ることもあるのです。
「違うさ、水戸の阿呆ガラスからの伝言だよ。」
「・・・・・・阿呆ガラス呼び、だめ。」
「わっちからすれば阿呆ガラスは阿呆ガラスにありんす。後伝言『さっさと帰って仕事しろ』だとさ。」
「あ・・・・・・ごめん、日立俺帰るわ。」
そう言うと走って帰っていく水戸。
ため息をつきながら先に言葉を発したのは伊勢甚だった。
「肝心なところで役に立たんね、それならよっぽどお前の方が有用にありんす。」
「・・・・・・伊勢甚、水戸の仕事は水戸がやるもの。僕は・・・・・・無用。」
「日立、お前水戸に惚れてるでありんしょ?三叉にはお見通しさ。」
「なんで、そう思うの?」
「その顔さ。」
僅かにほてった顔。
「お前は水戸の時だけ異様に仕事が速いじゃないか。・・・・・・じゃ、わっちは帰るさ。」
そういって消えていった伊勢甚はやけに楽しげに見え、ほてったままの日立は2度目のため息をついた。





                 おわり

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