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コーギーとお昼寝

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まるでバベルの塔のように

「あー・・・・・・眠い」
スカイツリーは愚痴を零しながら、駅の休憩室にある一番いいソファーを占領した。
もちろん占領するといっても猫一匹なので人が座ることは出来るが。
「だらしねぇよ、スカイツリー。ちゃんと起きて」
「お断りだ、どうせあたしゃ最初から東武の客寄せパンダなんだから」

まるでバベルの塔のように

2003年
地上アナログ放送終了が決定したことに伴い、民放5局によって新タワー建設計画が始まった。
このときテレビ電波を流す東京タワーは、周辺の高層ビルによって電波障害を起こし始めたことがその理由の一つだった。
このとき名乗りを上げた地域は15あって、そのうちの一つが墨田区だった。
墨田区はこちらに話を振り向けた。
「というわけで、どうよ。空き地になってる押上の貨物ヤード使ってさ」
「んー・・・・まあ、面白そうだぃね。押上近辺に客を呼ぶものがでぎるのはマイナスにはなんねぇ」
こうして600億円投資しての新タワー建設計画が持ち上がり、さいたまとの競合の末に2006年押上にタワーを建設することが決定した。
近隣の再開発を始め、タワー運営会社として現在のスカイツリーが生まれた。
それ以降の流れはみんなが知ってのとおり。

*              *

「・・・・・・って経緯があるんだから少しは甘やかしとくれよ」
「まだ開業して一月しか経ってねぇのに」
「しょうがないだろ!墨田区に届く苦情のほとんどはスカイツリーの迷惑観光客だから対策練るにしてもうちが絡んで来るんだよ」
「でもスカイツリーは猫でしょ」
「一応猫でも聞いといたほうがいいんだよ、それに」
「それに?」

「腐っても東武グループとして気ぃ張るから疲れるんだよ」

そうため息をついて寝たスカイツリーに、やれやれと頭をなでた。



おわり




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