何となく折りたたむ
「……シーウェイブス、お前ちゃんと寝てるか？」
釜石さんが唐突にそう聞いてきた。
正月明けの多忙を塗って会いに来てくれた相手に余計な心配をかけたくなくて、「大丈夫ですよ」としか答えられなかった。
「お前が勝っても負けても、わしはお前のことが好きじゃからな？」
「ええ」
好かれているということも、期待されているということも十分わかっている。その愛情はもう慣れた。
だけれどそれが時々ひどく重苦しく思える瞬間があった。
入れ替え戦の会場が釜石から東京に変更されて安心するような自分にその愛情は重すぎると口にすることも憚れるような思いも同時に混在していた。
新日鉄釜石ラグビー部は永遠にこの街のヒーローなのだ。ヒーローはヒーローらしくあらねばなるまい。
(ああ、もっと強ければ自分は何も苦しまずにいられたのだろうか)
入れ替え戦が怖い話。
実力が明確に出るからこそ愛情と実力の近郊の不釣り合いさにおびえてそうだなあと。そして私も入れ替え戦見るのが怖いので決勝の中継見ます()
