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コーギーとお昼寝

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青と黒

25日の練習試合に合わせてやるイベントがすごすぎて書いたネタです



11月25日、東京は世田谷のグラウンド。
彼はクラブハウスの片隅でひとりカメラの整備をしていた。
「何してるんですかこんなところで」
「いや、自前のカメラを改めてセッティングし直していたところぞ。こうしてわいわいとやるなら写真は重要であろう?」
リコーブラックラムズは愛用のカメラを一つ一つ整備し直しながら、準備をしていた。
「これ、練習試合と言うよりも完全に一つのお祭りですよね?」
予め聞かされてはいたとはいえ近隣店舗の割引サービスや選手やコールリーダー(何故それをカードにしたのか……)のカード配布に果ては親会社によるカメラの販売と、もはやちょっとした地域のお祭りの様相すら呈しており少しこちらが面食らうほどであった。
「中断期間でみな退屈しているぶん、こういうイベントもあった方が良かろう?だいいち汝はお硬すぎる、合宿もせず仕事仕事と……まあ、そこが美点と言えなくもないがな」
綺麗にパーツを磨かれたカメラが再び組み立て直されていく。
カメラは専門外であるが、モノづくり自体は自分の本業とも関わりがあるので興味深い光景ではある。
「だがな、プロは愛されることが商売だぞ?」
「……でもまだ僕らは企業チームですよ」
「しかし親に愛されて必要とされねば生きてゆけぬ」
妙に裏を含んだ言い回しだ。
真意はだいたい想像がつくが随分と卑屈めいた言い回しのようにも思えた。
たぶん西にいるあの男とその親会社の苦境も多かれ少なかれ気持ちを暗くさせてくるのだろう。
「黒ばっかり着てるから性格も暗くなったんじゃ?」
「そうかも知れぬなあ」

気づいたら暗い話になっていた。

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