書類仕事がひと段落ついたせいか、窓の外の強風が妙に気にかかる。
台風がこの辺りまで上陸してくるのも随分久しぶりだし、千葉に上陸した台風でつい6年前のあの台風のことを思い出してしまう。
(あの時はまだ東京がいてくれたんだよな)
姉のような妹のような、俺のそばにずっといてくれた奴のことを思い出す。
設備がやられて動けなくなってた俺のところに食料や物資を持って面倒見に来てくれた。
そんな存在はもうここにいない。
「君津さん、大丈夫ですか?」
職員が気遣うように声をかけてくる。
お盆だってのに夜勤に入ってくれた真面目な奴だ、余計な心配をさせたくない。
「少し考え事してただけだから」
「なら良いんですけど」
神様の端くれのくせに、この台風があの時のようにひどくならないことを願うしか出来ない。
そんな無力な俺を気遣ってくれるのが嬉しくもあり、ちょっと申し訳なくもある。
「早く過ぎて欲しいですね、台風」「ほんとにな」
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君津と台風。
作中言及エピは
これ