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コーギーとお昼寝

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その目を恐れている

(何で水戸に行くことになったんだろう)
その原因は30分ほど前に遡る。
-30分前
その日は守谷で常総線との打ち合わせで、新ダイヤの影響を確認していた。
「常総、ちょっと宜しいですか」
ふいに現れたのは常総と接続している水戸線だった。
どこか体調の悪そうなその人を見て、嫌な予感がした。
「水戸さん、わざわざこんなとこまでどうしたんですか」
「いえ、大した用事でもないのですが下館駅であなたのを拾いましてね。
人に預けるのも心配ですし、直接渡そうと思って駅員に聞いたら守谷にいると」
小銭入れを常総に渡した瞬間、フラリと水戸が倒れた。
熱を出していた相手に下館に置いてある書類を常磐に渡して欲しいと頼まれた。
さすがに断りきれず、しぶしぶ渡しにいくことになった。

*             *

水戸で会うのはわざわざ会いに来たみたいで癪に障るので、一番良いのは他の誰かを経由させることだ。
北千住で伊勢崎線や千代田線に託すとか、南流山で武蔵野とか。
だけどついていないことと言うのはあるようで下館で遭遇したのだ。
「・・・・・・・・なんでここにいんの」
「それはお前も同じだろ、俺は水戸がいつまでたっても友部に来ないから試しで来たんだよ」
「こっちは水戸が守谷で倒れたから水戸に頼まれて書類を取りに来たんだよ」
「・・・・・・そうか」
その目だ。
いつも常磐の自分を見る目は哀れみがあって、その目が癪に障る。
筑波と過去の記憶を共有するようになってから理由を知った、それでも嫌なのだ。
『TX』
『筑波はでしゃばらなくて良いよ』
『誰も悪くはないのよ、彼もあなたも』
小さな子を諭すように筑波が言う。
『それでも嫌だ』
その目を認めてしまえば自分でなくなりそうなのだ。
輸送量ギリギリの常磐を支える複線、それが自分だった。
そんな事実を認めない所詮子供なのだけれど、認めてしまえば何かに負けてしまうような気がするのだ。
「書類見つけたから、帰るぞ」
「そう」
ああ、本当に自分はその哀れみの目を恐れているのだ。
しばらく茨城に戻りたくなくなって、千葉へ行くためもと来た道を走り抜けた。














という訳でTXと常磐でした。
・・・・・・本当にこの二人仲がいいのか悪いのか不明すぎるけど、常磐は決してTXを嫌っているわけではないってことを書きたかった。

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