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コーギーとお昼寝

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世界の日差しが落ちる頃1

2017年10月10日の空は全く底なし沼のように広かった。
ああそう言えば今日は晴れの特異日だった、だから東京オリンピックが開幕して体育の日にになったのだっけ。
真新しいカラーテレビで見た東京の空の青さはあんなにも爽やかに見えたのに、今はその空の青さがまるで真っ暗な古井戸を覗き込むような不安感をかき立てた。
昨晩、震える声で告げられた言葉を思い出す。
『スティーラーズ、あなたは何ひとつ悪くないの』
親であり姉でもある彼女―神戸製鋼神戸製鉄所―があんな声を出すとは、思ってもいなかったのだ。
それが余計に恐ろしく思えたことなど本人は知る由もないだろう。
青い芝生の練習グラウンドの上で、楕円のボールの縫い目を指でなぞる。
ポケットから電話を取り出して電話をかける。
『おう、生きとるか?』
「勝手に殺すなや」
近鉄ライナーズのブラックジョークをキレ気味に返す。
大丈夫、いつも通り話せている。
『親子ともども死にかけとるみたいやからちょうどええやろ。で、何なん?』
「……別に」
『不安になったか』
その指摘があまりにも図星で言い返せずにいると、電話越しにため息が漏れた。
『今回の件でワールドファインティングブルの事思い出したんか?』
それもまた図星だった。
『東芝かてなんとかなったし、お前んとこは首相なり何なりに頭下げれば何とかなるやろ。でかい会社は潰すだけでも一苦労やもんな』
「親が無事でも、俺が無事んならん例もあるやろ」


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