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コーギーとお昼寝

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世界の日差しが落ちる頃6

2004年1月2日・東京。
「先輩、あけましておめでとうございます」
「あけましておめでとうワイルドナイツ、にしてもブレ―ブルーパスもよぉ初詣しようなんて言い出すよなあ」
待ち合わせに指定された明治神宮の参道入り口には後輩たちが一通り揃っている。
小瓶の酒をお年賀代わりに持って来たというサンゴリアスに、人数分のホッカイロを用意してきたグリーンロケッツ、どこからか甘酒をかっぱらってきた磐田のヤマハ(※ジュビロを名乗るようになったのは2004年の夏からだ)と、後輩たちから配られるものを受け取りつつ俺の方もクッキーを分けてやりながら声をかけてきた後輩を横に寄せる。
「あの人好調ですからね、確か6勝2敗1引き分けでしたっけ」
「全員の成績おぼえとんのか?」
「ええ、先輩は8勝1敗でしたよね」
「あの一敗はほんと痛かったわ」
開幕戦のサンゴリアスへの敗北は手痛いものであったが、それでかえって空気が引き締まった気がするので悪い事ではなかったのだろう。
ちらりと他方を覗いてみれば、ファインティングブルとボムズとラガッツの年少組が意気投合していて正月から心和む光景である。
(……まあ、神戸の後輩がうまくやれてるんならええかな)
ふとファインティングブルと視線がかち合い、二人に軽く声をかけてからこちらに近寄ってきた。
「あけましておめでとうございます」
「おう、おめでとさん。にしても随分洒落たモン着とるなあ」
「服屋ですからね」
紺の着物に白いトンビコートを纏い足元はブーツという妙にハイカラな取り合わせにこっちが笑ってしまうのだが、顔が良いので似合ってしまうのがすごいところである。
姐さんと一緒に製鉄業勢の新年顔合わせした後に直接来たものだから、コートの下はただのスーツと言うのはやはり味気ない気がしてしまう。
いやでもサンゴリアスなんかトレンチコートの下に妙にまた上の短いジーンズとか履いてるし、スピアーズに至っては練習着の上にロングコート(裾から練習着が覗いてる)だし、気にする事でもないんだろうか。
「確かに服屋がハイカラな服着んと売ってる服もダサく見えるもんなあ」
「そういうことです」
「あとお年玉代わりにエルベランのクッキーな」
「妙にお安いお年玉ですね」
「おっ、先輩の好意を無碍にするか?」
「いえ?」
ついでにボムズとラガッツの分も渡しておけば、さっさか先ほどの2人のところに戻っていく。
「ちなみに先輩、俺の分は」
「はいはい」
数枚クッキーを分けてやると遅刻してきたライナーズとブラックラムズが駆け寄ってくる。
「いやー東京は土地勘無いからあかんわー」
「……勝手に迷走したのは貴様であろう」
「せやかて仮眠しかとっとらんもん、まあサボるって考えはハナからあらんかったけどな」
ブレイブルーパスが2人の気配に気づいて周囲を見渡す。
「全員揃ったみたいだしお参りするぞー」

***

なんやかんやで初詣が終わった帰り道。
「ファインティングブルも仲ええ相手が出来たやんな」
ライナーズがさっそく酒を飲み始めながらそんなことを言う。
「……同年代って言うのは、まあ悪くないですよね」
「九州に後輩も出来たしなあ?」
「ええ、ボムズは良い後輩ですよ?」
まあこの二人もちょっとしたじじまごぐらいの年の差はあるのだが、本人たちは気にしてない。
いつの年代も後輩と言うものは可愛いものなのである。仕方がない。

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