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コーギーとお昼寝

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君に還る日のために5

心臓が破裂しそうなほどにざわめき立つ。
その扉を蹴破るように飛び込むと私は声を張り上げてその名前を呼んだ。
「釜石!合併の認可下りましたよ!」
「いやお前どっから来た?!」
「ちょっと瞬間移動使いました、それはともかく私たちを邪魔する障壁は全部消えさったことを喜んでくださいよ!」
「分かったから落ち着け、な?」
落ち着け―と身振り手振りで伝えてくるが私にはそれどころの話ではない。
この20年でいちばんの悲願がようやく叶うのだ、あの頃のように一緒に暮らせる以上の喜びがどこにあるというのだろう!
「落ち着いてられるもんですか!ようやく一緒に暮らせるんですよ?!」
「いやまあそうだけどな?まだ仕事残ってるんじゃないのか?」
「それもそうですね、一日でも早く一緒に戻れるよう仕事に邁進してきますね!」
まずは本社に戻ろう。
そして私達がもう一度暮らす日のために仕事をするのだ。

しかしその決定は、覆された。

―数日後―
「……合併差し止め」
「なんかそうらしいよ」
朝一番に渡された戸田の新聞を受け取って記事にざっと目を通す。
くしゃりと柔らかい紙が潰れる音がして、私の指先は小さくわなないた。
「あいつらは、私の邪魔しかする気が無いんですか」
「まあそれが仕事だし」
戸田の冷めた口ぶりが冷たく響く。
訴訟だろうが何だろうがもうどうだっていい。私達の悲願を、邪魔する権利はもはや誰も持ち合わせていない。
「……どんなことをしてでも勝ちますよ」

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