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コーギーとお昼寝

市町村・鉄道・企業・スポーツチーム擬人化よみものサイト、オンラインブクマはご遠慮ください。

青い光が見せた幻

『お前のためだ』
生まれたばかりの自分にそう告げて、上司はこの村に原子力発電所を誘致した。
人間同士のつながりを巧みに利用して他の候補地を退けて、巨大な国有地を開発して原発が作られた。
臨界の時の青い光の鮮やかさは今も目に焼きついている。
「那珂」
「なんですか?」
「・・・・・・・上司の行いは間違いだったのでしょうか」
「間違いも時には必要ですよ、原発が無ければ今もまた東海村は寒村のままです」
発電所がもたらした膨大なお金は公共施設へと変わった。
新しいまちのお金は生まれたての僕を巨大な原発城下町へと育て上げた。
「いずれ、原発がなくなるとして僕はどうなるのでしょうか」
「それは誰にも分かりませんよ」
風が吹き抜ける。
そして、二度目の夏が来る。




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天空にわっか

「空が青いねぇ」
「晴天だからねぇ」
大きな盛り上がりを見せる世紀の天体ショーに一帯は盛り上がりを見せていた。
偏光グラスを片手に朝7時半の太陽を見つめる。
「そろそろだね」
太陽はだいぶ欠けていて、ざわざわとした声が大きくなる。
そのとき、太陽と月が重なる。
「・・・・・・・これが金環食かぁ」
「18年後にも見えるけどね」
「北海道まで行くわけないでしょ」
天空に大きなわっかが浮かぶ。
まん丸なわっかの先から、明るい未来が見えた気がした。









金環食うっかり見損なった記念です。まあいいけど。
きっとみんな空を見上げていたんだろうなぁって妄想。

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憂鬱は続くよどこまでも

なんて憂鬱なことばかりだろう、と水戸がつぶやいた。
新聞を投げ捨てて(それでも折り畳んでから投げるのは良いところだと思う)ぶすっとどこかへと不機嫌な視線を向けていた。
「・・・・・ワー/プステーシ/ョンのこと?」
「それもある」
巨額を投資して作りながら赤字を垂れ流した挙句に投資金の一割にも満たない額で売却された施設を挙げる。
「じゃあ、4月からの放射線量の新規制値のこと?」
「それも」
ぶすくれた表情で未だに虚空を睨む我らが県都さま。
ああ、こう不機嫌ならどこへ連れて行こうかと考えてしまう。
甘やかしてるのは百も承知で、ここで勝手にぶすくれるのも最初から甘やかされたいからだとちゃんと知っている。
「何か食べに行く?」
「・・・・・・北茨城の鮟鱇鍋」
どうやら近くの回転すしなんて安上がりな回答を期待した自分が愚かだったらしい。
「奢るから」
「・・・・・日立の?」
「当然」
「なら行く」
まだまだ憂鬱は続く。
頭痛の種なんてこんなんじゃ消えるわけがないのだ。
・・・・・・水戸を甘やかす限り。






全力で県都を甘やかす日立さんでした。
だからこんなわがまま放題に育ったのにね!(爆)

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いちご大福で乾杯を

*水戸の日記念です。


朝、チャイムを鳴らしたのは茨城町だった。
「お久しぶり」
「らき、久しぶりー」
「今年も3月10日が来たでしょ、だからお祝いの品」
「ありがとー・・・・・」
そして幼馴染の持ってきたものは苺だった。

いちご大福で乾杯を




数十分後
「おはよ」
「日立は何もってきた?」
「チョコレートファウンテン」
テーブルの上に鎮座するダンボールと果物の数々にちょっと圧倒される、毎年思うけど、日立のプレゼントはちょっと個性的なことが多い。
「確か解けたチョコレートをフルーツにつける奴ですよね?」
「そう、というか茨城町もいたんだ」
「去年はいませんでしたしね」
「あー、ひたちなかは?」
「体調不良」
またもやチャイムが鳴る。
「よ、」
「笠間だ」
「・・・・・お前が来いって言ったんだろーが」
「嫌なら来なけりゃいいじゃん」
「来なかったら来なかったで桜川にしつこく愚痴るだろうがこの性悪県庁所在地が」


「だってさー、パーティーは人が多くないと。ねえ日立?」「水戸がそう思うならそうじゃないの?」
微妙に笠間から黒いものをかんじる。なんだろう、この触れたらいけないものに触れた感じ。

「でー、笠間のは?」
「遠軽から貰った木彫りの熊だ、受け取れ」
((木彫りの熊ですか・・・・・))
そう言えばこの間の災害協定で北海道の遠軽町と知り合いになって色々貰ったんだっけ、と思い出す。
あの大らかそうな遠軽なら色々くれそうだ、北海道だし。
「笠間さん、良ければ四人でいちご大福食べませんか?」
「いちご大福?」
「さっきみーく、いや水戸さんの頼みで持ってきたいちごでいちご大福作ったんです」
「ああ・・・・じゃあ食べてくわ。」
「笠間って意外に女の子に甘いよねー」
「うるせぇ」
まあいい、大切な日を一緒に祝ってくれる人がいるなら。







水戸さんは310の数字の並び大好きなので、とりあえず祝っちゃうwどうでもいいけど昨日は初音ミクの日・三雲の日・山陽九州の日と見事にいろんなものがあったけど水戸の日にwktkしていたので1つも祝わなかった件。


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梅の花が咲くまで

*一日遅れで偕楽園復旧おめでとう話。


2月7日
「・・・・・・・梅祭りには間に合ったね」
「どうにか」
ここ数日の寒さのせいで、降り出した雨がひんやりと地面をぬらす。
ポンポンと雨粒がビニール傘を叩く。
つぼみの梅の花は雨水を吸い込み、縦に縦にと伸びていく。
「偕楽園復旧してよかったよ」
せっかく常磐が新型車両入れたのになどと呟きながら梅を見上げた。
この梅が咲いたら、二人で酒盛りでもしようか。








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